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社長ブログケヤキの木の下で

2015年4月6日

住宅の資産価値 「暗黙のままに信じる、これを宗教という」

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨夜TVを見ていたら
大手HMが資産価値のある家と宣伝してました。
CMなので詳細な内容はわかりませんが
資産価値のある家ってどんな家か考えてみました。
資産価値は資本主義的な見方をすれば相対的なもので
あると思う人が多ければ価値として上がります。
ただそこには様々な要因が含まれるわけで
特に行政の目指す方向、
あるいは指針により影響を受ける場合が多々あります。
典型的な例で言えば耐震偽装
古くは姉歯事件、最近は東洋ゴムで起こりました。
これは国が定めた基準以下の判定、あるいは試験結果を偽装したものですが
基準以下の建物が建てられているわけで
当然その資産価値はほぼ無いと思われます。
ただこの基準は現在の基準であって
実は10年前あるいは20年前であればクリアしていました。
つまり
国で定められた基準が年を追うごとに厳しくなっていて
過去の国の基準をクリアしていたからといって
現在の基準を必ずしもクリアできない
ということが起こっているということです。
そして
当然のことながら
現在の国の基準をクリアしてなければ
資産価値はほとんどない・・・
だから偽装されたマンションの購入者は建替えを要求することになります。
法律的な言葉を使うと建築物については既存不適格と言います。
この既存不適格
わかり易く言うと
住宅を建てた当時の法律には適した建物だが
基準が厳しくなって今となっては
許されない建物
という意味になります。
耐震基準については日本人はとても敏感で
耐震診断や耐震補強という言葉が一般的にも使われるようになりました。
ですから
国も今の耐震基準に満たない住宅に対して
100万近くの補助を出して補強工事を奨励しています。
さて
問題はここからです。
住宅に対する基準は
厳しくなることはあっても
ゆるくなることはありません。
更に
その基準は耐震性能だけでなく
様々な分野に及ぼうとしているということです。
大きく分けると
・エネルギー削減(省エネ性能)
・CO2削減(低炭素住宅)
実は一般の方はご存知ありませんが
既にその工程表、ロードマップも発表されてます。
工程表1.jpg
上の表の一番上
エネルギー基本計画のところに
2020年
(住宅) ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)を標準的な新築住宅とする
     既存住宅の省エネリフォームを現在の2倍程度に増加
(建築物)新築公共建築物等でZEB(ネットゼロエネルギービル)を実現
2030年
(住宅)新築住宅の平均でZEH
(建築物)新築建築物の平均でZEH
住宅やその他の建築物について
国の方針、方向性、基準は上の表のように既に発表されています。
今から5年後と15年後の基準です。
さて、
あなたがこれから建てようとしている住宅はこの基準クリアしているでしょうか?
35歳のあなたの建てた家が
15年後に既存不適格になるのか
あるいは資産として保有でき
子供の代に暮らし継がれる家となるのか
じっくり考える必要があります。
更に付け加えるなら
人口の減少、生産性の低下、若年労働人口の減少、老齢人口の増加などから
新たに購入される土地は2040年頃には
その資産価値は今の半分以下になると予想される方もいます。
今、1000万で購入した土地の資産価値が25年後には半分以下になるという予想です。
土地の下落はどうしようもない部分もありますが
建物の資産価値の多くはその性能で決まるようになります。
デザインやインテリア、間取りは確かに住宅の大切な要素ですが
その前に家の性能を考えておくことが大切な時代になりました。
断熱材でもサッシでも換気装置でも耐震性でも
その性能は全て数値で表すことができます。
これから住宅をお建てになる方は
資産価値の根拠となる数値を知っておくことが
将来のご自分の資産を守ることになります。
TVのCMで宣伝している家の資産価値も
じっくり検討する必要があります。
林先生の名言
「暗黙のままに信じる、これを宗教という」

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