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社長ブログケヤキの木の下で

2017年2月20日

2020年を過ぎればすべての家がエコハウス?

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
怒涛の2週間が過ぎて
明日から北海道出張
百年の家プロジェクトの研修で
北総建にいた福島明先生の講義
現在は北海道科学大学の先生で
「北海道の住宅技術の過去と未来」を教授していただくことになります。
福島先生のことを知ったのは6年前のReplan関東(2011年VOL3)
こちらでは目にすることのない雑誌ですが
当時は北海道や東北、関東でも発売されてました。
現在でもバックナンバーで購入できます。

右端の下のほうにある見出しの
「住宅性能の発展途上国、日本」

当時、住宅の新築を計画している人で
大手ハウスメーカーも含めて
日本の大半の住宅の性能が発展途上国並みだと知ってる人はあまり多くありませんでしたし
北総建という民間ではない独立行政法人の役職者が公のメディアで
このようなことを言うのはかなりのリスクがあったと思われます。
時代の流れの中で
「王様の耳はロバの耳」と誰かが言わなければなりませんでした。
日本の住宅性能は途上国レベルで、残念ながら今でもそうですし
中国や韓国と比べてさえその性能基準劣っています。
その第一声を上げたのが福島先生でした。
当時、住宅の性能に着目していた工務店や設計者には
途上国並みの性能というのは当たり前のことだったのですが
その性能を上げようとすると
何よりも欧米並みの性能のいいサッシが国内では生産されていないことが
ネックになっていました。
北海道を基盤にするシャノンを除けば
YKKもLixilも海外で現地生産するサッシより
国内で生産、販売するサッシの性能のほうが低いという状況で
LixilなどデュオPGという名ばかりペアガラスサッシを
いまだに販売しています。
そこに起こったのが東日本大震災
京都議定書で既にCO2に関しては何らかの対策が必要となっているところに起こった震災で
エネルギー消費の削減が急務となりました。
ということで、
家庭で使うエネルギー消費の伸びは他の分野よりかなり伸びていましたから
住宅に的を絞った政策が出てきます。
真っ先に狙われたのは
サッシ業界
国交省や経産省からかなりの圧力があったと思われますが
YKKやLixilが震災以降、高性能なサッシを矢継ぎ早に出してきました。
同時に2020年には省エネ基準が義務化されることが発表
これはある一定基準以上の省エネ住宅でなければ住宅建築を認めないというもの
更に、経産省が追い打ちをかけるようにZEH
ゼロエネルギー住宅補助を打ち出しました。
このころから
住宅性能の向上というそこに住む人たちの健康性や暮らし易さを高めていくと言う道から
CO2削減、省エネ性の追及が政府の主な目標となりました。
ですから
2020年には省エネ基準が義務化されますが
基本は太陽光パネルの設置や
高効率な設備機器の導入での
CO2の削減と、省エネ性の追求
断熱性や換気、気密などの健康性や暮らし易さに直結する部分の
レベルは低く設定されていて
「クリアできて当たり前」
ということは
2020年の義務化レベルで家を建てても
暖かい家になるとは限らないわけで
それは設計者と建築予定者が上記のようなことを理解しているかどうか次第ということになります。
というようなことで
住宅性能においては北海道が先進地
そこで長年研究されてる福島先生が
今後の流れをどう見ているかを知ることは
温暖地に分類される寒い美濃地方でもきっと役に立つと思われます。
乞う、ご期待。

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