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社長ブログケヤキの木の下で

2020年1月8日

木造建築病理学 住宅医協会の仕事


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日からの雨でどんよりした天気ですが
予報では今日は17度まで気温が上がるとか
真冬なのに冬の寒さの感覚が薄れてきそうです。
昨日、​住宅医協会​の豊田さんから
住宅医協会のHPを昨年末にリニューアルした際
トップページの事例写真の一枚に
春明の家の写真を使わせていただいているので宜しくと連絡があった。
春明の家は住宅医検定会の公開審査の時に発表した懐かしい家である。
住宅医の検定会と言うのは
年に一度、東京と大阪で開かれる。
住宅医になろうとする者が自分が改修の設計あるいは設計施工をした家の
詳細を発表し、公開審査をするものである。
審査員の先生方や多数の学生の前で発表しなければならない。
学生と言ってももちろん皆、実務者で社会人である。
私の場合、たまたま岐阜の森林文化アカデミーで
木造建築病理学の講座が開かれていたため、
アカデミーの先生や講座の受講生の前での発表となった(なんでやね~ん)
実は岐阜で発表するとアカデミーでの発表になると事前に分かっていたので
わざわざ大阪での発表で申し込んでいたのであるが、
三澤先生が、「田原さん、あなた岐阜なんだからアカデミーでの発表に変えといたからね~」
・・・・・
一般に木造住宅の改修、再生ということになると
大工さんや設計者の経験と勘というのが日本の現状であるが、
欧米では木造建築病理学あるいは建築病理学という分野があって、
一つの学問分野として確立している。
木造を含め建物がなぜ傷むのか、その原因は何か
どのように修復するのか
人の体と同じように建物を捉えるから
建物が傷むこと=人が病気になる、と考えれば
それをどのように治すかは、住宅の医者でなければならない。
ということで、
住宅の医者であるだけの知識や経験、能力があるかどうかを
公開審査の検定会で見るわけです。
日本では建築病理学の講座は関東学院大学と岐阜の森林文化アカデミーにしかないが、
一般の実務者向けには大阪と東京で住宅医スクールが開かれている。
これからの住まいは経験と勘のリフォームや改修、再生ではなく、
木造建築病理学に基づいた既存住宅の診断と
その改修、設計、施工方法が求められます。
診断項目は
劣化対策、耐震性能、温熱・省エネルギー性能、維持管理、バリアフリー、火災時の安全性の六つ。
住まいの傷む原因が分からなければ、治す能力もない。
たとえ、新築住宅を毎年100棟建てていても
お風呂になぜカビが生えるのか
押入れの布団はなぜ湿気っているのか
玄関が寒いのはなぜか
階段の下に埃が溜まるのはなぜか
換気しているのにトイレが臭いのはなぜか
冬季、外壁に付いた霜が融けているところと融けていないところがあるのはなぜかetc
ちゃんとわかっていなければ対策も無いことになる。
一般住宅でも性能が高くなればなるほど、
従来では問題にならなかった小さなことが大きな問題を内包しているケースも出てくる。
高い断熱性があるのに、気密が取れていない
高い気密性があるのに、換気が上手くいっていない
高性能な家と言われていたのに結露がひどい
住まいが高性能になればなるほど、
論理的な思考と技術が求められるこれからのリフォームやリノベーション。
建築士や設計事務所に依頼しているから
安心、大丈夫なんてことはありません。

木造建築病理学なんて聞いたことも習ったことも無いのですから。
フロアやクロスを張り替える、
設備機器や水回りを新しいものにすると言う程度であれば
経験と勘で何とかなりますが、

断熱や気密、換気だけでなく耐震性、省エネ性、デザイン性も含めて
リフォームやリノベーションということになると
それなりの知識と技術が必要になります。
1月25日(土)に大阪で公開審査の検定会がありますので
近隣の方でご興味があればご参加ください。
一般の方でも申込みできます。

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