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社長ブログケヤキの木の下で

2010年6月21日

伝統木構造

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日の午後は随分雨が降りましたね、
今日も雨漏れの電話がありそうです。
昨日のお話しの続き、
限界耐力計算をした
石場立ての家
普通の人はほとんど知りませんが、
現在の木造軸組工法の家は
日本の伝統的な家造りの方法(伝統木構造)ではありません。
主に戦後、普及した工法です。
伝統木構造の
限界耐力計算と聞いても
ほとんどの人は、なに?ですね。
これは伝統木構造の家を建てるときに
確認申請の提出と同時に出す書類です。
つまり、この計算をした書類を提出しなければ
伝統木構造の家は建てられないのですが、
現実にはその許可が下りるのは稀です。
限界耐力計算を使った伝統木構造の家の建築確認は、
2009年度までで日本でまだ3件しか下りていません。
2000年の建築基準法改正で
導入された限界耐力計算ですが
2007年に審査が厳格化され
実際は確認を下ろす建築主事がそれを理解できない
というのが真相です。
つまり、姉歯事件を契機に審査を厳格化したけど
何かあったときの責任が取れないので下ろさない
という事です。
今回の建物は
その確認を下ろさせた建物の10分の1の模型
秋に着工だそうですから
是非、見に行きたいですね。
この伝統木構造の家を建てるための
限界耐力計算
鉄筋コンクリートの4階建ての建物を建てるのではありません
せいぜい2階建ての木造の家を建てるのに
本当に必要なのか
今の建築理論では説明が付かない
あるいは、説明する事が出来ないので
排除するというのが日本建築学会や国の方針です。
明治や大正の時代には
どんな大工さんでも
当たり前のように建てていた技術です。
大工さんの技術は若い頃に体で覚える、
何度も経験するという事で腕を磨く
という部分が多くあります。
しかし、今はその機会さえありません。
次の世代にその技術を受け継いでいかなければならない
伝統木構造の技術は日本の建築文化そのものです。
この秋に少し審査基準が緩むようですが
伝統木構造の家への道程は
まだまだ長そうです。
それでは、
皆さん、また明日。

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