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社長ブログケヤキの木の下で

2012年3月22日

デザインを担保するもの

こんにちは
紙太材木店の田原です。
70坪を越える瀟洒な住宅
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建築屋をやっていると
リフォーム工事もするわけですが
リフォームの中には修繕というものも含まれます。
雨漏れブログをいくつか書いているからか
雨漏れ補修も年に何件かすることになるのですが、
雨漏れの原因は
施行技術の問題とデザインの問題、住む人の意識の問題
この3つがあります。
この家、築16年ほど
出窓の横の天井から雨漏れ
怪しいのは
1.横引きドレーン
これは施行技術の問題
2.手摺の天端がタイル仕上
これはデザインの問題と
施行技術の問題
バルコニーはFRP仕上ですから
建ててから10年も経てば
要チェック
(FRPの保証期間は10年しかありません)
何もせずに10年以上そのままでは
いずれ雨漏れの可能性大
建てた建築屋がコンタクトを取らなければなりませんが、
3.住む人の意識も重要
さてこの住宅、
タイルで笠木(バルコニーの手摺のことです)
を作るのはデザイン的な理由から。
手摺の天端がアルミ手摺でなく
タイルの笠木になってる住宅をたまに見かけます。
コンクリートの家ならOKですが、
木造の住宅の場合はよほどきちんと考えて施行しないと
手摺壁の中で結露が起こります。
雨漏れを懸念してしっかり防水紙を貼れば貼るほど
結露の可能性が高まるという皮肉な結果となります。
手摺の表面と裏面にアスファルトの防水紙が張られるわけですから
手摺壁の中で一旦結露すれば
結露と蒸発を壁の中で繰り返し
やがては腐朽菌に犯されていくことになります。
デザインは目に見える形で我々に訴えますが
それを担保する技術は目に見えませんし、
経年変化には人工的なものより
自然なもののほうが遥かに長く耐えられます。
デザインは建築家や設計事務所
施行は技術者
一般にデザイン性が高ければ高いほど
それに比例した技術が必要ですが
施行する技術者は自分の技術を客観的に見ることに慣れてませんから
自分の技術は高いと勘違いしているケースが間々あります。
また、
建築家も自分のデザインにはこだわりますが
それが10年、20年といった時間に物理的耐えられるか
あるいは、それをいかに形にするか、
といったことにに付いては技術者任せ
家を建てる人は
建築家は当然そのようにかんがえていると思ってますし
技術者はそれに応えられる技術を持っていると思ってます。
しかし現実には
様々な問題が両者のあいだには起こってます。
デザインを担保するのは
素材と技術
世代を越えた視線に耐えられるかどうか
合板のフローリングや
ビニールクロスでは無理ですね。
それでは
皆さん、また明日。

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