社長ブログケヤキの木の下で
2025年2月5日
壁や床の断熱改修
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
今朝は雪。
それほど積もっているわけではありませんが、
細かな雪が深々と降ってます。
午後はKKBの集まりが名古屋でありますから
早めに出かける必要がありそうです。
- 先日、断熱改修の相談を受けました。
20年ほど前に建てられた住まいです。
契約では床下に断熱材があるはずでしたが、
余りの寒さに確認したところ
床下に断熱材が入ってなくて
数年前に入れたとのこと(建てた業者はすでに倒産)
壁の断熱材は20ミリほどのスタイロフォームが、
放り込んであります。
放り込んであるというのは、
固定されてあるのではなく
ただ、入れてあるだけと言う意味です。
- 壁の厚さは105ミリ
そこに20ミリの断熱材ですから
85ミリの隙間ができます。
もちろん、壁の気流止めなんてありませんから
床下の空気はその壁の85ミリの隙間の空気と一体です。
更に言えば
壁の隙間の空気は在来工法の構造上、
1階の天井裏の空気と繋がっています。
天井裏の空気は2階の壁の空気とも繋がっていて、
それは屋根裏の空気とも一体です。
在来工法の大壁の家は
たとえ断熱材が入っていても、
壁の中いっぱいに充填されていなければ
床下から屋根裏まで一体の空気になります。
その空気と室内を仕切るのは
12ミリのプラスターボードと
張ってあるビニルクロスだけ・・・
もちろんコンセントや
照明のスイッチが壁についていれば、
そのわずかな隙間から冷気が室内に入ってきます。
- 壁を板張りにすれば、
乾燥して収縮した板同士の隙間から - 更に冷気が入ってきます。
部屋を暖房して暖かくすればするほど、
暖かい空気が室内の天井近くの隙間から逃げていき、
出ていった暖かい空気と同じ量だけ
冷たい空気が室内に入ってきます。
いくら暖かくしても
部屋は15度以上にはならず、
ひざから下は更に温度が低い。
- 日本の少し前の住まいを暖かくするには、
断熱性を上げることと
壁の中の通気を止める事の
二つをする必要があります。
しかし、壁の断熱性を上げるには
外か中の壁を取り除いて
断熱材を入れるしかありませんが、
それはにはお金も時間もかかります。
次善の策が壁の通気止め、気流止めです。
床の断熱材を厚くすることも有効ですが、
床の合板に密着させる必要があります。
床の断熱材は一般的にスタイロフォームのように
繊維系の断熱材が使われますが、
床合板の裏側に密着させて取りつけます。
断熱改修などで後から取り付ける場合は
どうしても隙間が出来て、
効果が半減してしまいますから
密着させるには工夫が必要です。
- 壁の断熱材にしても
床の断熱材にしても
入れてあるだけではNG。
基本的には室内側の壁や床に
密着している必要があります。
壁の場合それが出来なければ、
気流止めで壁の中の空気が対流しないような
工夫が必要です。
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