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社長ブログケヤキの木の下で

空気の実測

 

  • 定期メンテナンス(2年)で訪問 外塀は最近造らせていただきました

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。

 

  • 昨日は全館空調講座で一緒だった
    N.style建築工房の仲田さんの
    マンションリノベの空調の実測でした。
    鳳建設の森さんやJIN建築工房の小森さんなど、
    何人かで計測しました。
    参加者は
    西紋建匠の西さん
    二ケンハウジングの田中さん
    コウリュウの酒井さん
    西さんは大阪から・・・
    エアコンの空気が各部屋に必要な分だけ
    計画通りに流れているか
    温度や湿度はどうなってるかなど
    面白いのは、空気の流れを目で見ることができるんですね。
    森さんが動画を撮っていましたから
    興味のある方は、乞うご期待です。

 

  • 今年の夏は35度を越える日が何日もありました。
    昨日も名古屋は35度を越えていました。
    家全体の冷房負荷は簡単に計算できますが、
    住まいは個別の部屋に分かれています。
    お風呂の前の脱衣室やトイレ
    南に面した寝室と
    北側にある子供部屋では
    冷房負荷は大きく異なります。
    部屋の大きさや日射の入り具合、
    その部屋で使用している家電製品からも影響を受けます。
    太陽光パネルのパワコンが脱衣室のように
    狭い空間に取り付けられていると、
    パネルが発電している昼間は相当程度の熱を発します。
    変換効率にもよりますが、
    5Kw屋根に載せていれば
    250wなんてことも
    つまり、2畳ほどの脱衣室を
    この暑い夏に250wの電気ストーブで
  • 暖めていることになります。
    もちろん5Kwではなく、8Kw、10Kwなら
    更に発熱しますから暑くなります。
    ただ、逆に考えると冬にはそれだけ脱衣室が
    暖かくなることになります。

 

  • 住まいの性能が高くなるほど
    家全体の冷房負荷
    あるいは暖房負荷と言った大雑把な計算ではなく、
    個別の各部屋の計算が求められます。
    各部屋に必要な冷暖房エネルギーを
    ダクトを使って送るのであれば、
    将来的なダクトの交換や定期的な清掃は必須です。
    それを
    どうやって?
    誰が?
    設計者は住まい手に代わって
    考える必要があります。

 

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屋根からの輻射熱

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    なかなか涼しくならず、
    意識せずともこの夏の猛暑の疲労が溜まっているようで
  • 少し体の重い朝です。

 

  • さて、写真は前回お伝えした
    断熱、気密の見学会の家の2階の屋根を見た所です。
    屋根と言っても外から見るのではなく、
    部屋の中から見ていますから
    こんな風に見えます。
    写真で見えている合板の下の面に
    断熱材が取りつきますが、
    厚さは30センチほどになります。
    なので屋根を支えている太い木(登り梁)は
    断熱材で隠れてしまいます。(屋根断熱と言います)

 

  • この断熱材で隠れてしまう前の
    合板の表面温度はどれくらいでしょう?
    この合板の上には
    ガルバリウム鋼板の屋根があります。
    直射日光で熱々になってる
    ガルバリウムの表面温度は70℃以上・・・
    そのすぐ下に上の写真の合板があったら
    相当程度熱くなってるはずですが、
    測ってみると33℃

 

 

 

  • これは合板の上の通気層があるので
  • この程度の温度になっています。
    もし通気層が無ければ、もっと高い温度になります。
    前回の写真で2階の室温は30.8℃でしたから
    約2.2℃分、ガルバリウム鋼板の
    輻射熱の影響を受けていることになります。
    既に屋根の断熱材が取りつけてある
    1階の天井は室温と同じ30℃でした。
    (写真を撮り忘れ・・・)
    合板からの輻射熱は赤外線ですから
    冬のストーブと同じ働きをします。
    いくらエアコンで空気を冷やしても、
    赤外線の熱が体に届けば暖かくなってしまいます。

 

  • 昭和な住宅の2階が、エアコンをかけていても
    暑くていられない理由はここにあります。
    もちろん現在の住宅でも
    屋根や天井の断熱材が不足してれば同じです。
    屋根からどれだけの熱を浴びるかと言うと
    簡単な計算式で分かります。
    屋根や天井の表面からの熱供給は
    屋根面積x屋根のU値x温度差
    通気層がなければ
    ex
    50m2x3w/m2Kx40K=6000w
  • 通気層があれば
    50m2x3w/m2x6K=900w
    屋根のU値は
    断熱材の性能や厚さで決まりますし、
    温度差は通気層のあるなしなど
    屋根面の構成でも変わります。
    最近はパネルを屋根面に設置しますから、
    パネルと屋根面の間に
    空気層があることになります。
    パネルがある分、天井や屋根からの
    輻射熱は低減されることになりますが、
    基本は上記の計算式に基づいた断熱仕様の決定です。

 

  • 屋根や天井の断熱材は皆さんが思っているより
    厚い方が効果があります。
  • 屋根の通気層は
    自立循環型住宅設計ガイドラインでは
    3センチですが、
    水蒸気の排出だけでなく
    通気層内の温度を下げようとすれば
    3センチよりもあった方が効果があると考えます。

 

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冷暖房負荷を

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨日は名古屋で工事中の住まいの断熱、気密の見学会でした。
    お越しいただいた皆様には
    この場をお借りして御礼申し上げる次第です。

 

  • 台風10号に振り回され
    壁と1階の屋根の断熱と気密シートは
    出来ていましたが、
    2階の屋根の断熱材はまだ取り付けられておらず
    気密シートもまだと言う状態でした。
    写真はお昼過ぎの気温と湿度
    1は外気で
    気温は37.9度 
    湿度は35%
    計算すると
    絶対湿度は14.5g/Kg
    2と3は室内で
    1階と2階の気温と湿度
    1階が30.4度と44%
    2階が30.8度と43%
    扇風機を回せばなんとか凌げる温湿度です。
    微妙に温度と湿度が異なりますが、
    計算すると絶対湿度は 同じ11.95g/Kg
    実は2階の窓にウインドエアコンが
    取り付けてあります。
    1.4Kwの冷房能力ですから
    2.2Kwを6畳用とすると63%ですから、
    3.8畳用クラスと言ったらいいでしょうか。
    外気が37.9度、35%の時のこのエアコンの限界は
    室内を30.4度、44%まですること
    と言うことが分かります。

 

  • もちろん、家の大きさや
    壁や屋根、床の断熱材の性能や
    どんなサッシかとか
  • 日射や気密にも左右されます。
    つまり、上記の性能に加え、
    何人の人が生活するか
    発熱する設備機器
    例えばTVや冷蔵庫などの家電製品
    乾燥機の有無や
    室内干しの水蒸気など
    冷房負荷を計算すると
    昨日のように
    気温が37度
    湿度が35%の時、
    家の中を例えば
    27度、55%にするには
    冷房能力がどれだけのエアコンが必要か
    必要な除湿量はどれだけかなどが計算できます。

 

  • 能力の大きなエアコンを設置すれば
    問題なしという訳ではありません。
    寒くなりすぎる
    あるいは温度は低くできるけれど
    除湿が足りず、
    サラッとしていなくてジメジメした感じがする
    これなどは典型的な
    Ua値頼みのエアコン選定で起こる現象です。
    冬は気温だけですから
    暖房はなんとでもなりますが、
    日本の夏は温度と水蒸気の二つを
    相手にする必要があります。
    この水蒸気が曲者で、持ってるエネルギーを
  • 何とかしなければ夏の快適は得られません。
    2時間に1回 家中の空気を入れ替える
    換気をしながら ストレスのない環境にする
    カタログにある全熱交換の交換率の数値を
    信じてエアコン選定をすると、
    ババを引くことになりかねません。
    東海地方では今週もまだ猛暑日が続くと報じてました。
    せめて家の中では、
    ストレスのない環境で過ごしたいものです。
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もう一度欲しいか?

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    快晴で23度、93%の朝です。
    湿度が高くても、気温が23度だと快適ですね。
    もう1度下がって22度になると
    不快指数も「快い」に変わります。
    寝る時はそろそろエアコンから窓を開けての
    通風に切り替える時期で、ナイトパージと言います。

 

  • 最近、隈研吾さん設計の広重美術館​が話題です。
    築24年、屋根の木材が傷んで
    改修費用が3億円必要とか。
    屋根を覆うように杉材が取り付けてあり、
    風雨にさらされた木材が
    腐朽して見るも無残になっています。
    隈さん曰く
    当時の防腐剤の質が低かったから・・・
    木材は雨に当たれば
    防腐処理をしてあっても、
    長い短いはあっても
    いつの日にかは朽ちていきます。
    逆に言えば、雨に当たらなければ
    100年でも200年でも大丈夫。

 

  • 一般の方の住まいで
    建物の外部で木材が使われ、
    目で見えるところは
    板張りの外壁、
    デッキ、
    玄関ポーチの柱や梁
    破風や鼻隠しもあります。
    デッキを除いて、
    軒や庇があって真上からの水滴は
    木部にはかかりませんから長持ちします。
    もちろん雨は真上だけからではなく、
    風が吹けば横からも吹き付けますから
    水に濡れます。

 

  • 長い年月(50年以上)の間には
    交換や補修も出てきますが
    新築で建てられた方は
  • それほど心配する必要はありません。
    ただ、最近はやりの軒ゼロの家は
    壁も含め雨にあたる頻度が格段に増しますから、
    軒ゼロで建物の外部に木部が出るような設計は
    お勧めしません。
  • それを隈さんがされたので
    批判的な意見が出ているのですが、
    24年で3億円なので
    毎年1250万円を積み立てていれば
    何とかなったのかもしれませんが、
    いきなり3億となるとやはり大変です。
    住まいも同じで
    リフォームも含めメンテナンスには
    30年間で400~800万くらい
    かかると言われています。
    30年以上の耐久性のある設備機器はありませんから
    エアコンx3台やIH
    食洗機に換気装置
    ウォシュレットや冷蔵庫なんてのも含めると
    設備機器だけでかなりの金額になります。
    外れの機器ならその間に2回交換なんてことも…

 

  • 対策は積み立てですが、
    機能が複雑で高価な設備機器が本当に必要か?
    15年後の交換時期に
    もう一度それと同じものが欲しいかどうか、
    立ち止まって考えても損はありません。
    30万円のトイレと
    10万円のトイレ
    2台で差額が40万あれば、
    断熱材を厚くしたり
    サッシを樹脂やトリプルにすることも可能です。
    設備機器はある意味消費財ですが
    住まいは消費財ではありません。
    かけるべきお金は限度がありますから
    どこに使うかじっくり考える必要があります。

 

  • 雨がかりのデッキ修繕は
    傷んだところから順次張替えが原則。
    我慢できなくなるまで
    放置して一挙にしようとすると、
    費用も時間もかかります。
    一枚二枚程度でしたら、ご自分でもできます。
    でもその前にデッキも
    なるべく雨に当たらないような設計が大事です。

 

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断熱改修が必要なわけ

 

  • リノベーション時には断熱気密改修

 

  • おはようございます、​​紙太材木店の田原です。
    先日お知らせした
    クローズアップ現代の家が暑すぎる問題
    業界関係者は随分見ていたようですが、
    一般の方にこそ見ていただきたい内容でした。
    視聴率も高かったようで何よりです。

 

  • 断熱改修の良さを工務店や設計者が伝えても、
    売り込みと取られてなかなか伝わらないのが
    現状ではないでしょうか。
    その意味で断熱改修を実際に経験された
    一般の方の意見はとても貴重です。
    もう一つ、伝わらない理由の一つが
    断熱改修しても
    費用をかけただけの効果はないのではないか
    そう思ってる方も多くおられますし、
    半信半疑というのが実情でしょう。
    なぜそうなるかと言うと
    自分の住んでいる家にも
    壁や天井に断熱材は入っている
    なのに暑いし寒い
    だから、断熱材なんてそんなに効果は無いし
    ある意味気休めでしょ
    少しの間、暑さ寒さを我慢すれば何とかなる
    自身の体験や経験から
    そう感じてしまいますが、
    断熱材が入っていても暑い寒いの理由は
    断熱材の量が足りない(厚さが薄い)
    サッシがペアガラスでも枠はアルミ
    (結露する断熱性能の低いサッシ)
    隙間風がどこからともなく入ってくる
    (気密が取れていない)
    年齢が50代、60代の方で、
    30代の頃に建てられた家の多くは上記に該当します。
    骨組みである構造体の柱や梁は
    築30年程度では問題ありませんから、
    断熱改修をすればまだまだ住めますし
    次の世代も住むことができます。

    暑さ寒さと言った
    身体的なストレスからも解放されます。

 

  • 新住協の技術資料や
    BISのテキスト
    自立循環型住宅への設計ガイドライン(改修版)
    等でわかるように
    断熱改修の技術は、既に確立されています。
    紙太材木店(CatsReform)のリフォーム工事で
    8月の補助金申請の件数は8軒
    そのうち窓リノベ等
    省エネに関するものを合計すると13項目
    総額は200万を越えます。
    もちろん窓だけでなく、
    断熱材を厚くすることにも補助金は出ます。

 

  • まだまだ、我慢して省エネ
    我慢して節約をされている方も多くいますし
    涼しい家、暖かい家は
    贅沢と考える方もおられます。
    ただ、その我慢や節約で
    健康を害してしまっては元も子もありません。
    暑い家、寒い家の断熱改修は
    贅沢でもなんでもありません。
    住まいが持つべき基本的な性能が、
    欠けている家と見るべきです。
    国の政策や基準の低さ
    建築業界の怠慢
    そのしわ寄せが及んでいた住宅です。
    その欠けている性能をきちんと直すのですから
    誰からも
    後ろ指を指されることはありません。
    迷っている方は
    誰でもいいという訳ではありませんが、

    工務店や設計事務所にご相談ください。

 

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