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社長ブログケヤキの木の下で

台風の時の原因不明な雨漏れ

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨夜から今日の午前中にかけて
    線状降水帯の予報が出てましたが、
    今のところ大丈夫のようです。日も差しています。
    今後の台風の動きが気になりますが、
    過去の台風の時の雨漏れの事例のお話を一つ。

 

  • 台風の時だけ雨漏れするケースがあります。
    雨漏れの補修の場合、
    どこから水が侵入しているか確認するため
    水かけ試験を行います。
    雨が室内に漏れてきた場合、
    恐らくこの辺りから
    入ってくるのではと思われる箇所に
    放水して侵入ヵ所を探ります。
    それは外壁のクラック(ヒビ割れ)であったり
    サッシと外壁の取り合いの箇所であったり
    様々ですが、
    何回放水しても
    時間をかけて放水しても
    雨漏れが再現できないケースがあります。

 

  • 今まで10年以上住んでて
    今回の台風で初めて雨漏れした
    そんな場合考えられるのが
    家が水を吸い込む、です。
    どういうことかと言うと
    南向きの家で南から雨とともに強風が吹く、
    建物の南面には風圧力がかかります。
    しかし同時に
    南からの風を建物が防ぎますから、
    建物の北側の壁の外は
    減圧され気圧が低くなります。
    北側の壁やサッシの隙間、
  • あるいは換気扇があると
    室内の空気を吸いだすことになります。
    室内の空気が吸い出されるということは、
    吸い出した分の空気が
    どこからか入ってくることになります。
    南側のサッシの周りや
    その他の隙間から空気が入ってくるわけですが、
    そこに水が当たっていれば
    空気と共に水も入ってきます。
    引違いのサッシの下部のレール部分などで、
    水がボコボコしてるのを
    ご覧になった方もおられると思います。
    同じ現象がそれ以外の部分でも起こっていると
    考えられます。

 

  • 台風の時しか漏れない雨漏れ。
    多くは強風によって減圧された室内の
    水の吸込み現象と思われます。
    強風がどちらから吹くかでも違いますし、
    風の程度や風圧力も違いますから
    台風が来るたび起こる訳でもありませんし、
    どの家でも起こるわけではありません。
    こんな雨漏れもありますが、
    どこから侵入するかは水かけ試験でも分かりません。
    (台風を再現できないので)
    補修らしきものをしたとしても
    きちんと補修できたのかは分かりません。
    (台風を再現できないので)
    高気密な家にすれば大丈夫か?
    そう聞かれても、
    なんともお答えのしようがありません。
    リスクは減るかもしれませんが、
    トイレや台所の換気扇から減圧の可能性もありますし。
  • 高気密だからと言って隙間が無い訳ではありませんから・・・
  • つまり、可能性はどんな家でもあるでしょう。

 

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住まいの資材や設備機器の選択は慎重に

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    台風が気になります。
    これだけ遅いと通り過ぎるのに時間がかかって、
    風雨の時間も長くなります。
    2018年の台風では
    東海地方もかなりの被害が出ました。
    紙太材木店への修理の依頼の多くが瓦の飛散です。
    瓦の飛散の修理で頭を悩ませるのが「同じ瓦が無い」です。
    特にセメント瓦は色や形が様々、
    廃盤になってるケースが多々あります。
    瓦屋さんに各地の問屋に
    在庫がないか問い合わせてもらったりと、
    難儀した記憶があります。

 

  • 瓦だけでなく、住宅に使用される工業製品には
    このようなケースがあります。
    売れなければ数年で廃盤になるのは
    資本主義の世界では自然な流れですが、
    住まい手側にすれば
    ローンの返済は35年あるわけです。
    最低それだけの期間は何とかしてよ、でしょう。
    でも、メーカーはそんなこと
    知ったこっちゃない?
    となれば自己防衛するいかない訳です。
    そういう商品を選ばないようにするしかありません。
    どんなメーカーでも
    規格は同じという設備機器の代表はエアコン。
    パナソニックのエアコンを使っていて
    故障したから取り換えるのに、
    ダイキンのエアコンを取りてけても
    何の問題もなく交換できます。
    もし規格が違っていて、
    うちの会社のエアコンは
    丸型なのでドレーンの位置や
    大きさが違いますから
    新たに穴を開けてくださいなんて言われたら
    そんな商品は選びませんが、
    設置していた規格のエアコンは
    廃盤ですからもうありません
    なんて言われたら、そうするしかありません。

 

  • 幸いエアコンではそんなことはありませんが
    換気装置はどうでしょう?
    一種の全熱交換機は、
    各メーカー規格はバラバラです。
    給気ダクトの本数や径も異なります。
    設置場所も天井裏であったり壁付けだったり。
    機械ですから10年から15年が寿命。
    欧州のメーカーのものは
    ほぼ規格が共通してますし、
    修理も部品交換で出来るようになっています。
    国産メーカーは百花繚乱
    しかも給排管は、アルミのジャバラが主流。
    一種の全熱交換機を選択されるのでしたら
    メンテナンスや
    10年後15年後壊れた時の修理も含め、
    慎重に検討されることをお勧めします。

 

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Heat40を

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    台風の進路、
    日本が予想する進路と
    ヨーロッパが予想する進路、
    それにアメリカが予想する進路があります。
    数日前は、日本より西寄りが欧州
    日本が真ん中
    アメリカが東よりでした。
    今日見てみると、
    上陸地点は四国あたりで共通してますが
    欧州はそのまま
    ほぼ北北東に北上ですが
    日米はほぼ北東に北上。
    欧州進路なら一安心ですが、日米進路では不安。
    どちらにしても
    今日は現場の台風養生・・・

 

  • さて、その現場
    来月8日に
    断熱と気密の見学会(工事中)を開催します。
    場所は名古屋市
    お申込み後に案内図をお送りします。
  • HPには近日中に掲載されますので、お見逃しなく。
    工事中ですので、完成前の段階が
    ご覧いただけますから、
    そこはどうなってる?の部分を
    ご自分の目で見ることができます。
    気密シートは何を使ってるか
    どんなふうに張ってるのか
    サッシ回りの気密シートの処理は?
    屋根の通気はどう確保してるか?
    床の付加断熱って何?
    換気は?
    冷暖暖房負荷は?
    準防火地域でUa値を確保するには?
    マニアックな質問のように
    聞こえるかもしれませんが、
    きちんとした施工をしている工務店なら
    普通にしていることで特別な事ではありません。
    ただ、言葉で説明するのと
    実際に自分の目で見ていただくのでは、
    異なります。

    この家は
    暖かいですよ
    涼しいですよ
    そんな言葉の説明だけでなく、
    なぜ暖かいのか
    なぜ涼しいのか
    どれくらい暖かいのか
    どれくらい涼しいのか
    そのためにどれくらい
    エネルギー代
    (電気代)がかかるのか

 

  • 今年、名古屋で35度を越える
    猛暑日は30日以上。
    温暖化の影響を10年20年のスパンで考えれば、
    来年以降も猛暑日は増えていくでしょう。
    以前、NHKが2050年の天気予報を放送していました。
    京都の紅葉の見ごろは、
    クリスマス頃になるとか
    2050年は、30歳で家を建てれば50代半ば。
    わずか25年程先の事です。
    パネルで発電してエアコンで冷やせば
    何とかなる? かどうかは設計者次第。
    Heat20は2020年を見据えた
    住宅の高断熱化技術開発委員会の略称ですが、
    今年は既に2024年、
  • 2025年もすぐそこです。
    Heat40やHeat50を考える時期に来ていますが、
    そんな動きはありません。
    今のところ
    個々の設計者や住まい手が自分自身で、
    Heat40を考えるしかありません。
    今度は
    寒さ対策ではなく
    暑さと水蒸気対策の
    Heat(熱)40

 

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長居は無用

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    8月の末でようやく、
    今年の台風が
    東海地方に来そうです。
    しかも今朝の予報では直撃の様子・・・
    建築中の現場の台風養生しなければなりません。

 

  • さて、先日行った美濃市の森林文化アカデミー
    帰りに美濃市内の古い町並みを散策しました。
    と言っても余りの暑さに、
    人通りはほとんどありませんでした。
    古い家を改装した土産物屋さんや
    カフェなどで涼んでいる方が大半。
    我々もいろんなお店を廻りましたが、
    美濃市の古い家を改装したお店には特色があります。
    他の古い町並みのお店では
    あまり目にすることはありませんが、
    お店に入った時安心します。

 

  • 古い街並みの中で
    外観を建設された時と同じように手直しし、
    内部は土産物屋さんやカフェに改装する場合
    内部は広い空間が必要になります。
    お客さんの座る席数の確保
    商品をできるだけ多く陳列するスペース
    簡単な厨房やレジ
    経営上どうしても
    配置しなければならない場所は、
    限られたスペースの中では無理があります。
    どうするかと言うと
    壁を撤去する
    2階の床を取り外す
    通りに面した間口を広くする。
    どういうことが起こるかと言うと、
    建物の外周の壁だけがあって
    内部には壁がないガランドウの空間。
    耐力壁どこにある?
    水平構面はどこ?
    これって
    地震が来たら一発で倒壊
    古い町並みの中には
    そんなお土産屋さんやカフェが溢れています。
  • 理由は簡単で
    この手のリノベーションやリフォームには
    国の規制や基準はありません。
    構造的に何をしようと咎められることはありません。
    今の建築基準なら絶対建てられないものでも、
    出来てしまいます。
    流石に国もこのままではマズイと
    2025年4月の法改正で
  • 規制することにしましたが、
    それまでは野放し状態が続きます。

 

  • じゃあ美濃市のそんなお店はどうかと言うと

 

 

  • これでもかと言うほど金属の筋交いが入っています。
    床も屋根もすべて構造計算して配置してあり、
    基準法の1.5倍程度で計算されているとか。
    実はアカデミーが市内にあり
    構造の専門の先生や卒業生が多くいるので、
    いつでも気軽に相談できます。

    市内でこのような改装プランが出ると、
    誰が設計するか
    どんな設計か
    ちゃんとした補強計画かなど
    意匠的デザイン的なことも含め
    厳しい目で評価されることになります。
    地方の小さな町ですが
    建物の改修や古い町並みの再生など、
    建物改修の本来あるべき姿の一つが美濃市にあります。
    古い町並みのお土産屋さんやカフェに入った時、
    内部がガランドウなら長居は無用です。

 

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朝日が持ってくる熱

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    一昨日、昨日と
    最高気温がようやく35度を切りました。
    特に昨日は朝から雨でしたから、
    湿度はありながらも暑さの峠は越えたかに感じました。
    ただ、午後からは晴れて
    今日は再び連日の暑さが戻ってくるようです。

 

  • さて、立秋は8月7日
    まさにこれから夏本番の暑さが始まる頃ですが
    暦の上では秋
    なんとなくズレてると感じてる方も
    多いと思います。
    太陽高度が一番高くなる夏至は6月21日ですから
    既に2か月余り経って、
    日が沈むのも早くなっていますが
    室内に入り込む日差しはまだまだ大敵です。
    特に朝夕の日差しは真横から入りますから、
    朝は東
    夕方は西の日射遮蔽は欠かせません。
    この時間(朝6時)でも
    窓からどれだけの熱が入ってくるか?
    日射計(ソーラーパワーメーター)で計測すると
    約300~320w(ワット)/m2
    1m2当たりですから
    幅が1.6mx高さが1mの
    引違い窓(腰窓)からは
    320x(1.6x1)=576wの熱が入ってきます。
    掃出しサッシは幅1.6mx高さ2.0m
    3.2m2の面積ですから
    320Wx3.2m2=1024w
    6畳用エアコンは2200Wの
  • 暖房能力がありますから
    朝、東に向いた掃出しサッシが二つあるとすると、
    何もしなければ6畳用エアコンで
    暖房しているのと同じになります。
    もちろん、夕方西に向いた窓があればそれも同じです。
  • でも東向きの窓からの熱は
    夜間外気が冷やされた朝なので
    室内の温度も日中程高くはありませんが、
    西向き窓からの熱は
    日中さんざん暑くなった
    外気と室内に入り込む熱ですから
    西日の方が遥かに強烈に感じます。

 

  • 冷房負荷を計算する時、
    窓からの日射取得を考慮しますが
    南面の窓は最大150w
    東西の窓は同300w
    この数字に日射遮蔽の割合が
    どれだけかを乗じて計算します。
    南面の場合太陽高度が高いので
    (日射の入射角度が急になるので)
    南の窓からの日射取得は東西より少なくなります。
    庇や軒があれば
    入射する範囲も狭くなりますから、
    取得も少なくなります。
    一般に日射遮蔽と言うと南の窓を考えがちですが、
    実は東西の窓の日射対策はとても重要です。
    古い農家の切妻の家などは
    西側はたいてい床の間や
    仏間、押入れで全て土壁
    東側もほとんどが壁です。
    通風は南北に掃出しや
    縁側を設けて確保してました。
    エアコンの無い時代ですから
    東西の日射を防ぐ、理にかなった作りになっています。

 

  • 現代ではエアコンの冷房や日射遮蔽もできます。
  • どの部屋が
    どれだけの冷房負荷があるか
    計算もできますが、
    家全体は計算しても
    個別の部屋までとなると設計者次第。
    Ua値や断熱性能等級がいくら良くても
    暑い部屋ができますし、
    暑いだろうからとエアコンを入れれば
    夏なのに寒い部屋が出来てしまいます。
    経験や勘、Ua値や等級に頼るのではなく、
    きちんとした計算が求められる時代になりました。

 

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