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社長ブログケヤキの木の下で

窓と暖房費

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    先週の週間天気では今週はほぼ晴れだったのに、
    月曜日の朝はいきなり雪が降ってきたりと
    なんだかなの空模様です。
    明後日から建前です。
    予報が信じられないと、不安が増すばかりで心臓に悪い…
    今のところ、天気は大丈夫のはず。

 

  • さて、この可児の家C
    Ua値は0.31w/m2・Kですが
    付加断熱はHGW16Kで厚みは50mm
    紙太材木店の通常の付加断熱の厚みは100mm
    計算すると
    Ua値は0.03下がって、0.28w/m2・K
    自然温度差は50mmの時が11.9度
    100mmが12.7度
    年間の暖房費の違いは2432円

 

  • 南面の窓は4か所で
    w2.5mxh2.2mの窓が2つ
    w2.5mxh1.3mの窓が2つ
    壁の負荷断熱の厚さを2倍にしても、
    自然温度差は0.8度しか上がりません。

 

  • 最近、Ua値をよくするために
    窓の数をできるだけ少なくする
    そんな提案をする設計者もいますし、
    一般の新築検討者の中にも同様な考えを持つ方もいます。
    確かに窓の数が少なくなればその分壁の面積が増えて
    Ua値的には上がりますが、
    付加断熱100mmで 4つの南面の窓の内2つだけ
    普通のサイズである
    1.6mx0.9mにして計算してみると、
    Ua値は0.27と0.1よくなります。
    自然温度差は
    12.7度あったものが
    11.9度となって、0.8度下がります。
    この0.8度の差は付加断熱
    50mmと100mmの差と同じです。
    自然温度差が0.8度下がったので、
    暖房費は1480円増えることになりました。

 

  • まとめると
    南面の窓2か所のサイズを小さくしたことで
    Ua値は0.1向上しましたが、
    自然温度差は0.8度下がり
    暖房費は1480円上がりました。
    可児の家Cでは様々な条件を勘案し、
    予算を横にらみしながら
    最終的に付加断熱の厚みは50mmとなりました。
    立地条件は千差万別ですから、
    設計を工夫することで
    同時に様々なシュミレーションをすることで
    より暮らし易い家となります。

 

  • この可児の家Cにて
    来月末に気密や断熱、構造の見学会を予定してます。
    (耐震等級3 許容応力度計算)
    来月初めに開く名古屋の完成見学会と
    合わせて
    ご覧になると、
    性能だけでなくデザインや仕様など
    紙太材木店の考えが分かります。

 

 

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室内が暖くなる前に切らない

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝は一面雪。
    と言ってもそれほど積もっている訳でなく、
    2.3センチでしょうか。
    細かな雪がしんしんと降っています。
    住んでいる地域は5地域でそれなりに寒いのですが、
    積雪はそれほどありません。
    そもそもここ数年
    10センチを超える積雪がありませんから
    運転初心者は道路に積もった雪の上を
    運転する経験がありません。
    最近はスキー場に行く人も激減しているわけで、
    チェーンなんて付けたこともない
  • なんて人も数多くいるとか。
    本日の運転は自分だけでなく、
    前後左右の車にも要注意の一日になりそうです。

 

  • 老婆心ながら付け加えると
    道路の雪が解けているからと
    いつも通り走ってそのまま橋を渡ると、
    橋の上だけ路面が凍結してる
  • なんてこともありますから
    橋の上は特に注意しましょう。
    道路の雪は地熱で融けますが橋には地熱がありません。
    融けているように見えても
    凍結している可能性があります。

 

  • さて、エアコンで暖房しても寒い
    そんな風に思っている方も多いと思います。
    なかなか暖まらないからいつもストレス
    そもそもエアコンが壊れてるのではと
    なんて疑いたくなる
    そんな方に先日私の友人から聞いた話をしますね。

 

  • 友人の奥さんの実家は町の電気屋さん
    田舎なので町で一軒の電気店
    40年電気屋さんをしているので
    馴染みのお客さんが大半とか
    もちろん、エアコンの取付も沢山している
    そんな電気屋さんにも
    「こないだあんたんとこで付けたエアコン
    暖かないからいっぺん見にきて」
    そんなクレーム電話が入るとか
    義理のお母さんの返答は
    「4日付けっぱなしにして
    それでも寒かったらもう一回電話して」
    これで、たいてい二度と電話は無いそうです。
    いろいろ考えさせられる話ですね。

 

  • エアコンの効きが悪いのは、
  • 電気屋さんせいでは無くて根本的には家の性能です。
    性能の低い家であれば
    エアコンはそれに合わせた使い方が必要と
    いうことになります。
    インフルエンザが流行ってますが、
    風邪薬や病院の診察代
    交通費なんてのも入れればかなりの出費です。
    家族が次々に罹ったなんて話も聞きますから、
    寒い家の方は
    エアコンをつけっぱなしにしても
    家族全員インフルに罹るよりは
    お安いかもしれません。
    寒い家の方は一度お試しください。
    電気屋さんのお義母さんの言い分
    「家が暖かくなる前に切っちゃうんだから
    そりゃ寒いわね」

 

  • p.s.
    新築でお引渡し前のUa値0.3程度の家でも
    外気が5度以下で家が冷え切っていると、
    エアコンで暖かいと感じるまでには
    12時間以上かかります。
    冷えてしまっている質量の大きな家を
    空気で暖めるのですから、時間がかかります。

 

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東京ゼロエミ水準A

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨日はブログの日でしたが、
    朝から現場に行ったり
    打合せをしたり
    その後また現場に行ったりで
    夜まで全く時間が取れず、
    すっかりブログの事は飛んでおりました。
    夜遅くに家人から言われ、ようやく気付いた次第ですが
    時すでに遅し・・・m(__)m

 

  • 東京の太陽光義務化がこの4月から始まります。
    簡単に言うと
    年間2万m2以上建てている住宅会社に対して、
    施工する住宅に
    太陽光パネルの設置を義務付けるもの
    1棟100m2として
    年間200棟以上建てている
    住宅メーカーが対象と言うことになります。
    もちろん補助金が4割ほど出ます。
    4kw100万として40万ほど
    加えて、東京ゼロエミの補助金は
    昨年の10月から更にバージョンアップしてます。

 

 

  • 東京都 環境局資料

 

  • 昨年9月まで補助対象だった水準1は廃止
    水準2と3も同程度であれば補助額は減額
    新たに設けた基準の
    水準Bが昨年の水準3
    水準Cは昨年の水準2と、引き下げられました。
    その代わり
    新設の水準Aは補助額アップで240万円
    プラス太陽光が4割として40万ほど出ますから
    合計280万ほどの補助金となります。
  • 水準A程度なら、
    標準で建てている地方の工務店にしてみると
    なんとも羨ましい制度です。
    東京ほどとは言わないけれど、
    何とか…と思っている工務店や新築検討者は
    数多くいると思われます。

 

  • そんななか出てきたのがGX志向型の補助。
    従来は子育て世代が対象でしたが、
    性能に特化していて対象は全世帯。
    実はこのGX志向型の住宅の性能要件は、
    東京ゼロエミの昨年までの水準3と同程度なんですね。
    補助金は東京には敵いませんが、160万でます。
    ある意味、東京ゼロエミの
    全国版と言っていいでしょう。
    国の施策が、東京の施策を後追いしてる形です。
    国も東京も
    鳥取や山形、札幌や長野でも
    高性能な住宅に相当程度の
    補助金と言う税金を投入しています。
    何とか住まいの性能を上げる方向に
    誘導したいという政策です。
    これから新築住宅をお考えの方は、
    なぜそんな政策がとられているのか
    考える必要があります。
    同時に昨年までの水準3程度では
    実はまだまだだということが、
    東京ゼロエミの新しい基準から分かります。
    つまり、GX志向型は
    昨年の東京ゼロエミの水準3と同程度ですから、
    GX志向型住宅でも
    まだまだと言うことになります。

 

  • 住宅は大変革期です。
    基準も毎年のように更新されています。
    これから新築を検討される方は、
    東京ゼロエミの水準Aを意識する時代になりました。

 

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一種全熱交換は万能ではない

 

 

  • おはようございます、​紙太材木店の田原です。
    あけましておめでとうございます。
    本年もよろしくお願いいたします。
    1週間ほどお休みをいただきました。
    紙太材木店は明日までお休みですが、
  • 私は本日が仕事始め。
    昨年6月に着工した千種の家も、本日が完了検査です。
    外構工事の後、2月1日、2日に見学会の予定です。
    正式案内は近々HPやインスタで案内を出しますから
    乞う、ご期待であります。

 

  • 断熱、気密の見学会​をしたのが
    9月の初めですから、まだ暑い盛りでした。
    2階の取り付けた工事用のウインドエアコンは
    1.4KWタイプですが、ストレスなくご覧いただけました。
    準防火地域ですが
    断熱性能等級7
    Q1.0住宅レベル4の住宅です。
    断熱、気密の見学会のブログでもお伝えしましたが、
    冬の寒さは断熱性を上げることと
    日射を利用することで

    対処できますが、問題は夏の暑さ。
    夏は気温だけでなく、水蒸気との戦いになります。
    温度を下げるだけでなく
    湿度の下げる必要があります。
    一般の方だけでなく
    実務者の多くも誤解していますが、
    1種の全熱交換器で換気すれば問題解決ではありません。

 

  • 簡単に説明すると
    全熱交換器の潜熱の交換率が75%としても、
    それは交換器を通る空気の話。
    トイレやお風呂、台所にも
    換気扇は設置されています。
    トイレやお風呂は、
    換気扇を一日中回したままのお宅も多くあります。
    匂いやカビ対策のためです。
    台所の換気扇の換気量は
    1時間に300m3~400m3/h
    トイレ2か所で70m3x2か所
    お風呂100m3/h
    30坪程度の家の気積を
    280m3とすると
    1時間に半分の140m3を換気する必要があります。
    1種の全熱交換機を通る空気は
    この140m3の空気で
    交換率は75%
    トイレやお風呂、台所は
    別ルートの給気経路とすると、
    熱交換機のを通る空気は140m3より少なくなります。
    トイレやお風呂の給気口を
    その場所に付けてもいいですが
    冬は寒くなってしまいますし、
    夏は外と同じ暑さ・・・
    台所も同時給排にして
    シャッター付きににしても、
    風速3m程度の風があれば漏気してしまいます。
    つまり、全体の交換率は75%よりも落ちます。

 

  • 以前もお話ししたと思いますが、
    夏はエアコンにいかに上手く働いてもらうか
    上手に働いてもらうためにどうするか?
    その工夫が設計者には求められます。
    1種の全熱交換機とエアコンがあれば
    いい訳ではありません。
    全熱交換機無しでも、
    エアコンで涼しく暮らすこともできます。
    以前もお伝えしましたが、
    この問題は​「さとるパパの住宅論」​が
    とても参考になりますから
    興味のある方はお訪ねください。

 

  • さて、千種の家
    1種の全熱交換機は使っていません。
    ダクト式の換気扇です。
    冬、暖かい家が当たり前巷には宣伝文句も溢れていますが、
  • どれだけエネルギーを使って暖かいかが問題。
  • 暖房負荷 を聞けばすぐにわかりますが、
  • まだまだ一般的な言葉にはなっていません。
    この冬に見学会に行かれる方は
    暖房負荷​、冷房負荷がどれだけの家か
    聞いてみましょう。
  • 夏と冬、どんな対策や工夫がしてあるか
  • ご覧になりたい方は見学会にお越し下さい。

 

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省エネルギー基準2030年

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝は4度で雨模様、予報から雪になりそうな気配です。
    明日は会社の大掃除。
  • ケヤキの落ち葉を処理するつもりでしたが、
    濡れ落ち葉をかき集めるのは難儀しそうです。

 

  • 上の写真は
    経産省(環境共創イニシアチブ)が発表​した
    2023年度までのZEH住宅の普及状況(着工件数調査)
    HMでは7割を超える住宅が既にZEH仕様です。
    一般工務店では14.1%で
    7軒に1軒がZEHということになります。
    一般工務店が建てた住宅が27万戸余りで
    その14.1%ですから38.236戸、
    対してHMは80.359戸のうち
    58.829戸がZEH。
    合計で97.065戸、全体では27.6%の家が
    ZEH住宅と言うことになります。
  • ただ、Nearly ZEHやZEH Orientedがあって
    一般の方には分かり難いですが、
    狭小地や日射の確保が困難な敷地の家で
    パネルを搭載すればZEHと言う家も
  • 統計の中に入っています。

 

  • 5年前の2019年と比較すると一般工務店は
    5.3%が14.1%ですから、約2.6倍の伸びです。
    一時期、売電金額の減少で
    パネル設置の伸びが
    鈍化したことがありましたが、
    2022年以降急速に伸びています。
    これは売電金額が減少しても
    パネル設置のメリットが大きいということが
    一般の方にも浸透したことと
    電気やガス、灯油などの値上がりの影響も
    考えられます。
    同時に住宅の断熱性や省エネ性についても
    You TubeやSNSなどで
    様々な情報が発信されていることが、
    挙げられます。
    10年ほど前の新築検討者の情報入手手段は
    住宅展示場か住宅雑誌、
  • あるいは見学会程度でしたから
    営業担当者や設計者と言った実務者との間の
  • 情報格差は非常に大きなものがありました。
    プロフェッショナルと
    素人の対戦と言った感じです。
    暖かい家ですよ
    涼しい家ですよと言われれば
    そうですかと信じるしかなかった時代です。
    それが今では、住まい手の方が
    実務者より上のケースもあるくらい
    一般の方のレベルが上がっています。
    ある意味SNSの普及は日本の住宅性能のレベルを
    押し上げていると言っていいでしょう。

 

  • じゃあ、これから家を建てる方は
    ZEHにすれば安泰か?

 

 

  • 実は今のZEH、ギリギリクリアではNGの様です。
    国の第6次エネルギー基本計画
    青枠の●二つ目
    2030年以降に新築される住宅について
    誘導基準・住宅トップランナー基準を引き上げる・・・
    省エネルギー基準の段階的な水準の引上げを
    遅くとも2030年度までに実施する
    住宅は一度建ててしまえば、50年60年と存在します。
    子供たちの世代が新たな新築住宅を建てるのではなく、
    親の世代が建てた家をそ
    れほど負担なく
    住み続けられる住まいが求められる時代です。

 

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