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社長ブログケヤキの木の下で

パワコン室内装置から見えてくる

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝は0度
    氷点下ではありませんがまだ寒い朝です。

 

  • 今朝の 日経クロステックの記事
    「エネルギー消費ゼロ、ZEH住宅の失敗3選」
    という記事が出てました。
    少しズレてる感じがしないでもない記事ですが、
    パワコンの発熱量については一般方や実務者でも
    気づいていないケースがありますから、
    覚えておくといいと思います。
    太陽光パネルのパワコンは
    室内設置か屋外設置かどちらでもできます。
    室内設置の場合、
    分電盤の近くに取付けますから
    物置や脱衣室あるいは洗面室などが多いと思われます。
    これらの部屋はスペース的には、
    2畳とか3畳程度の広さです。
    ここで問題になるのは、記事でも紹介していたように
    パワコンの発熱量です。
    発熱量=容量x(1-変換効率)
    5KWのパワコン
    変換効率92%の場合だと
    発熱量=5000x(1-0.92)
    400w
    大人の人体の発熱量が80W程度ですから
    2畳の脱衣室に大人5人がいる・・・
    パネルが発電している時だけ発熱しているのですが、
    それでも結構な発熱量です。

 

  • なのでパワコンを狭い空間に設置する時は、
    その発熱量も知っておく必要がありますし
    設計者はその対策も考えておくといいでしょう。
    パワコンを屋外に設置すれば
    問題は起こりませんが、
    屋外用のパワコンは値段が高くなりますし
    せっかく発熱してくれていますから、
    パワコンを室内設置して
  • その熱を何とか暖房に利用したいと考えると
    色々と工夫が必要になります。
    もちろん、夏場にも発熱していますから
    暑さ対策も必要になってきます。
    クロステックの記事の紹介でも
    夏場に室内が暑くなることによるクレームでした。

 

  • 高性能な住宅でのパワコンの室内設置は
    設計者の能力が試されたり、
    推しはかられるバロメーターと
  • 言ってもいいかもしれません。

 

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一部屋からでも…効果のある断熱改修

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨日は氷が張ってましたが、今朝は3度ほど
    午後は晴れるようですが、
    気温はそれほど上がらないとか…
    暖かくしてお過ごしください。

 

  • 昨日は名古屋で新住協のオープンセミナー
    鎌田先生が、途中一回の休息を挟んで
    4時間講義されました。
    新築だけでなく、既築建物の断熱改修についても
    かなりの時間講義されました。
    特に部分断熱改修(エリア断熱)の効果や
    計算の仕方、施工のポイントなど。
    マンションの断熱改修にも応用できる手法の解説は、
    受講者の方に好評でした。
    部分断熱改修については
    一昨年の新住協の総会の時に、
    青森で工務店をしている小松工務店さんが
  • 実例発表をされました。
    その手法を解説されました。
    青森の東津軽郡にある工務店ですから、
    津軽と言う地名を聞いただけで
    冬のイメージは極寒でしょうか。
    家全体の断熱改修となると
    大掛かりで費用も掛かりますし、
    一部屋ずつ住みながら改修と言うのも、
    住まい手にとっては負担がかかります。

 

  • 部分断熱改修と言うのは
    1階だけとか
    LDKだけ
    あるいは
    LDKとお風呂や脱衣室、トイレなどの
  • 水回りを含めた住まいの一部を
  • 断熱改修することを言います。
    実際、紙太材木店でも
    再生工事の場合は断熱も含めて工事をしますが、
    断熱改修を目的とした家全体の改修は
    過去に一度だけ。
    断熱改修の多くは、
    1階だけとか
    LDK+水回りと言うのが大半です。

 

  • 今回の講義では
    部分断熱改修の完全な方法
    部分断熱改修の簡易な方法
    部分断熱改修の検討中の方法
    三つの解説で
    青森の小松工務店さんの手法は
    二番目の簡易な方法で、
    コストを抑え同時に効果が検証された手法です。
    断熱改修は部屋のどの部分を
    どのように断熱するか?
    部屋には
    窓、天井、床、壁があるわけですが、
    その組み合わせにより効果の違いがあります。

 

  • 内窓の設置だけの場合
    内窓設置と気流止めの場合
    内窓設置と天井の場合
    内窓設置と気流止めと天井の場合
    様々な組み合わせがあって、
    改修に掛かる費用や効果もそれぞれ異なります。
    もちろん、完全な方法がいいのですが
    手間もコストもかかるわけで、
    小松工務店さんが発表した手法が
    部分断熱改修の簡易な方法として解説されました。
    極寒の津軽で実績のある簡易な部分断熱改修は、
    温暖地?の東海地方でも有効です。
    温暖地と言いながら
    朝の寒さは2025年1月の朝の最低気温の平均
    美濃加茂市  -0.6度
    多治見市   -1.5度
    新潟市     0.7度
    福島市    -0.9度
    山形県酒田市 -0.2度
    青森市    -2.4度

 

  • 断熱改修の手法は学校では教えてくれません。
    日本の住宅にあった
    断熱改修の手法があります。
    寒い家だと思われるなら
    寒い部屋だと思われるなら
    一部屋だけからでも
    断熱改修はできます。
    どうぞ、暖かくお過ごしください。

 

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残念な実務者…まだそんなことを?

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    晴れの予報ですが、今はまだ曇り空
    気温は5度ほどありますから
    それほど寒いわけではありませんが、
    日中も予報では10度程度なので
    花冷えの一日になりそうです。

 

  • 昨日は構造の内覧会
    氷雨の降る中でしたが、
    お越しいただきありがとうございます。
    壁や床の断熱、気密はできていましたが
    天井、屋根はまだの状態。
    小さなお子さんも来られるので
    ストーブを1台設置しましたから、
    室内は16度程度になりました。
    上着を着ていれば寒さは感じません。

 

  • 来られた方とのお話の中で出たのが
  • 吹付の断熱材のこと。
  • どんな話かと言うと他社の見学会に行った時、
    ウレタンの吹付の断熱材を使っている会社から
    「グラスウールの断熱材だと壁の中にカビが生える」
    そう言われたんですけれど・・・
    実際、グラスウールの断熱材を使って
    カビの生えている写真も
    ネット上には溢れてますから
    (実際は浮遊粒子状物質SPMのケースが多い)
    見学先の実務者から
    グラスウールはカビが生えますよと
    言われれば不安になるでしょう。

 

  • 気密シートという言葉があります。
    防湿層とも言いますが、
    気密シートの気は 水蒸気の気
    英語では ​​vapor barrier(水蒸気のバリア)
  • と言います。
    室内で発生した水蒸気が、壁の中の断熱材に
    入り込まないようにするためのシートです。
    壁の断熱材の中に入ると
    室外側は冷やされてますから、
    そこで結露する可能性が高くなります。
    それを防ぐのが ​​​​​気密シート(水蒸気のバリア)です。

 

  • でも、一昔前(50年ほど前)日本で断熱材を
  • 壁の中に入れるようになった頃は、
  • 気密シートの考えがありませんでした。
  • 加えて、断熱材の取り付け方も
  • 入っていればいいという程度の考えでしたし、
  • 厚さが5㎝程度で性能的にも低いものでした。
  • 残念ながら今でもそのようなケースがない訳では
  • ありません。

 

  • 完成した後では、壁の中は見えません。
  • だからこそ、構造や内部が見える断熱や気密の見学会は
  • 見ておいて損はありません。
  • どんな断熱材の入れ方をしているのか
  • どんな気密シート(vapor barrier) の張り方をしているのか
  • ご自分の目で確認することができます。

 

 

  • パラマウントガラス工業のHP
  • 新潟県妙高市の築17年の住宅の外壁のグラスウールの
  • 写真があります。
  • きちんと気密シート(vapor barrier) が施工されていれば
  • 問題はありません。

 

 

 

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付加断熱は普通のこと

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝は1.5度ですが、日中は暖かくなるようです。
    ただ、花粉も大量に飛散しますから
    お出かけにはマスクは必須ですね。

 

  • 先日のJBNのZOOMのセミナーは
    「地域ごとの適切な壁の断面構成を学ぶ」
    北は青森の菊池組さんから
    南は鳥取のやまのすみかさんまでの6社
    JBNの主催ですが
    参加の6社は皆さん、
    PHJや新住協あるいは両方の会員さんで
    どの社も付加断熱をされています。
    他の4社は 山梨の天野保建築 
    岐阜の鳳建設、滋賀の夏見工務店、大阪のダイシンビルド
    地域ごとの壁の断面構成なので、
    その地域の気候風土を考慮した断面なのですが
    面白いのは
  • 青森の菊池さんを別にすると
    それほど違いはありません。
    もちろん、使っている断熱材や透湿防水シート
    付加断熱の取付け方などは
    多少違うのですが、

    数値にするとそれほど大きな違いはありません。
    青森の菊池さんのところは外だけでなく
    内部にも付加断熱をしてましたから
    他の地域とは異なりますが、
    青森の更に北のむつ市ですから
    地域の特性に合った断面構成となっています。

 

  • このことからわかることは
    南東北(福島、宮城、山形)以西では
    断熱性能を意識した工務店では付加断熱が普通。
    あるいは当たり前であるということです。
    「地域ごとの適切な壁の断面構成」なのですが
    菊池組を除けば
    それほど違いが無いのはナゼカと言えば、
    南東北(福島、宮城、山形)以西では
    一日で一番寒い最低気温に
    それほど差が無いから
    2024年の1月の
    福島市の最低気温の平均は-0.2度
    岐阜市は1.5度
    大阪は3.6度
    鳥取は2.4度
    彦根は1.6度
    (寒いイメージの北陸の金沢は2.4度 新潟は1.2度 秋田は-0.1度)
    それなりの違いはありますが
    寒いことに変わりはありません。
    もちろん一日の平均気温では差が出ますから
    地域区分があるのですが、

 

  • どの工務店もそれほど違わない
    一番寒い時間帯に合わせた
    断熱材を選定しているので
    断面構成も大きな違いはありません。
    PHJも新住協も異なる団体ですが、
    基本的な考えに大きな違いが無いことがわかります。
    南東北より西では
    一日で一番寒い時間帯を考えると
    付加断熱は普通と言うことになります。
    菊池組さんの口癖
    「断熱はマックスに 設備はミニマムに」

 

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結露防止と湿害防止は別

 

 

 

  • こんにちは、紙太材木店の田原です。
    本日も更新がこんな時間になりました・・・
    昨日から新住協の理事会で仙台でした。
    理事会の後は食事会でした。
    その後の懇親会には、
    いつもは誰かが仕事で抜けていましたが
    珍しく理事全員が参加して建築談義でした。

 

  • 可変調湿シートのことも話が出ました。
    実は今日の午後は、
    JBN環境委員会のzoomのセミナーが
    2時から5時の予定でした。
    昨夜一緒だったダイシンビルドの清水さんも
    押っ取り刀で仙台から駆けつけて出てましたが、
    色々話が盛り上がり
    終わったのはつい先ほどの18時前・・・
    と言うことで、こんな時間になりましたm(__)m

 

  • 可変調湿シート
    最近は夏型結露対策で、
    可変調湿シートを施工するところも増えてきました。
    実は理事会でもその話が出ましたし
    セミナーでも出たのですが、
    壁体内結露(夏型)における
    結露と湿害は本来別のものであるのに
  • 混同されていて、
    結露=湿害となっているのが現状
    なので、結露計算をしてNGなら
    壁体内で湿害が起こると解釈されていますが、
    Heat20設計ガイドブックPlusの
    防露設計と評価方法(第6章)を読むと
    02に「結露の被害と許容範囲」の項目があります。

 

  • これの私なりの解釈を簡単に言うと
    高温多湿な日本で
    初期結露や一時的な壁体内結露は
    避けられないから許容する(せざるを得ない)
    なのでHeat20の基準は結露防止では無く、
    湿害防止を目的とした基準である。
    簡単に言うと
    初期結露や夏季の一時的な結露は発生するけれど、
    建物や健康に被害を与える
    湿害を起こすような結露では無いから
    許容範囲ですよ。
    Heat20の設計ガイドラインを読むと
    夏型結露に関してはそのようなスタンスです。
    ただ、実務者でもいろんな意見があるのが現状で
    可変調湿シートについては
    JBNでもメーカーを含め
    議論を始めるとか言っていましたから、
    日本における夏型結露対策については
    関東以西の蒸暑地を含め
    しばらくすれば一定の方向性が出ると思われます。

 

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