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社長ブログケヤキの木の下で

排水管を詰まらせないように

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝も冷え込んでマイナス3度
    快晴なので、すぐに気温は上がりそうです。
    もうすぐお正月ですね。
    金融機関も28日の土曜日から5日の日曜日まで、
    1週間ほど休みのようです。
    紙太材木店は28日から6日までお休みをいただきます。

 

  • さて、多くの企業がお正月には休みになりますが
    備えは大丈夫でしょうか?
    エアコンが調子が悪くなった
    給湯器が動かない
    お湯が出ない
    水道管が破裂した
    なぜだか分かりませんが
    お正月休みに起こりがちな住まいの不具合。

 

  • 実は22日の日曜日の夕方、
    19年前にお引き渡しをした
    住まい手の方から電話がありました。
    外の台所からの排水管が詰まりました
    いろいろやったんですが流れなくて・・・
    この住まい手の方はある意味、超ラッキー
    これがお正月休みだったら
    対応してくれるところは限られますし、
    ネットで検索するといろんな業者が出てきますが
    信頼性については?
    金額がどれくらいになるかも気になるところです。

 

  • この排水管の詰まりは2種類あって
    住宅内の設備機器から外の排水桝までの詰まりと
    外の排水桝から先の排水管が詰まるケースの
    二つがあります
    室内側での詰まりのケースは
    自分でできることが大半です。
    You Tubeなどで検索すると紹介されています。
    ただ、外部の排水管の詰まりは
    今回のケースのように
    ご自分でとなるとなかなか難しいものがあって、
    専門の治具などを使って詰まりを取り除きます。

 

  • これらの詰まりに対する住まい手の方の対策は
    定期的に外の排水桝をチェックすること。
    排水桝は家から出てきた菅と
    下水に直結する菅が交差して
    直角に曲がっています。
    このフタを外して
    中を覗いて
    何かが引っ掛かってないか確認し、
    汚れや詰まりの原因になりそうなものがあれば、
    ホースで強めの水を当てて流します。

 

  • もう一つは台所で食器を洗う時、
    油物の付いたお皿は例え少量でも
    ティッシュやキッチンペーパーで拭き取ってから洗う。
    実は排水管の詰まりはこの流された油が
    原因のものが大半です。
    冬場は特に気温が低いので、
    管の中の温度も低いですから
    油も固形化しやすくなります。
    住まい手の多くの方が
    工務店やHMのメンテナンス体制を気にされますが、
    住まいのメンテナンスの多くは
    住まい手自身でできるものが多くあります。
    工務店やHMが対応するのは
    不具合が発生してからですが、
    その不具合が発生する前の段階は
    住まい手しかできません。
    設備機器の故障となると手が出ませんが、
    エアコンや換気装置のフィルターの掃除などは
    定期的に行っていれば
    機器に対する負荷も軽減されます。

 

  • 一昔前の私が子供のころ
    家中の畳を上げて大掃除をしていた記憶があります。
    今ではそんな家はありませんが、
    家族そろって年に一度
    家の大掃除と点検をするというのも
  • いいかもしれません。

 

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隙間も集めれば・・・

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝はマイナス2.7度の寒い朝です。
    岐阜は日中でも7度までで、風も強いと予報していました。

 

  • 家の隙間ってどこなの?
    そう思われる方も多いと思いますが家中至る所にあります。
    例えば壁。
    現在では剛床と言って床合板を全面に張りますが、
    だからと言って隙間が無い訳ではありません。
    壁の中にある柱や間柱の周りの合板は
    切欠いてあって、床下との間に隙間が出ます。
    コーキングや気密シートで塞がなければ、
    空気の通り道になります。
    その隙間のすぐ前に
    床と接してPBと巾木が取り付けてあります。
    この巾木と床に1mmの隙間があると
    8畳の部屋ではどれくらいの隙間になるか?
    8畳の部屋の巾木の長さは
    3.6mx4で14.4mです。
    入口のドアの幅を80センチとすると
    14.4-0.8=13.6mです。
    この長さの巾木が取り付けてあります。

 

  • この巾木と床のフローリングに
    1mmの隙間があるとしたら?
  • 1mmは0.1センチなので長さ1mの巾木は
    100センチですから
    100cmx0.1cm
    10cm2の隙間ができます。
  • 10cm2は約3.1センチ角の穴です。
  • 1mで約3.1センチ角の穴が一つある計算です。
  • 8畳の部屋の巾木の長さは先ほど13.6mでしたから
  • 3.1センチ角の穴が13.6個1mで10cm2の隙間ですから、
    計算すると136cm2の穴。
    136cm2の穴は11.6センチ角の穴となります。

 

  • 8畳の部屋で
    巾木と床のフローリングとの間に
    1mmの隙間があると
    その部屋には11.6センチ角の穴があるのと
  • 同じなんですね。
  • 1㎜の隙間なんてないよ
    0.5mmくらいと言う家でも
    136cm2の半分ですから68cm2
    四角い穴にすると8.2センチ角の穴です。
    床と壁には巾木がありますが、
    天井と壁には廻り縁があります。
    廻り縁も同じ計算ができます。

 

  • 上の隙間以外にどんな隙間があるかと言うと
    サッシが引違いだとレールやめし合わせ部分
    それに木枠周り
    壁に取り付けるコンセントやスイッチ周り
    この隙間を全部合わせた
    半分の面積から
    暖かい空気が出て行って
    残りの半分から
    冷たい空気が入ってきます。
    隙間をつぶす確実な方法は、
    まず第一に気密シートを張ること。
    新築時やリフォームの時なら
    容易にそれができます。
    巾木と床の隙間、
    たとえ0.5mmの隙間でも
    8畳の部屋で8.2cm角の穴です。
    いくらエアコンで暖房しても
    足元は暖かくならないことが
    おわかりいただけると思います。
  • 断熱材も大切ですが、
  • 隙間対策も同じように大事です。

 

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空き家を再生産しないために

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今朝は氷点下2.5度、今シーズン一の冷え込みです。
    過去の気象データでお隣の美濃加茂市の
    1981年12月の気温​を見ると、
    氷点下になっていないのが5日しかありません。
    31日の内、26日間が氷点下
    一日の平均気温がマイナスなんて日まであります。
    今月はまだ20日ですが
    氷点下は5日間しかありません。
    確実に温暖化は進んでいます。
    それでもまだ、冬が寒いのは変わりません。

 

  • さて、補助金の減額で灯油の値段は
    今月、来月と上がっていきます。(ガソリンも)
    燃料の補助金の総額は10兆円以上ですが、
    お金の行先は元売りの会社。
    ある意味、何も残らず消えていくお金です。
    住まいの断熱性能を上げる
    窓リノベのような補助金であれば、
    それは形となって残っていきますが
    燃料の補助金となると燃えてなくなります。
    何も残ることはありません。
    燃やしてしまうんですから・・・
    一過性の効果しか望めない。
    継続性のある効果は逆に望めない訳で、
    税金の使い道としては疑問が残ります。
    灯油をじゃぶじゃぶ使えば
    暖かくなる家が、
    これからも引き続き残ることになります。
    本来であればそんな家は
    神の見えざる手で
    あるいは市場原理で
    淘汰されていくべきなのですが、
    それを遅らせる効果しかありません。

 

  • 2023年の総務省の資料では
    日本の総住宅数は6502万戸。
    2018年から261万戸の増加です。
    空き家は2018年から51万戸増えて900万戸。
    誰が住むねん?
    空き家のうち
    賃貸や別荘などを除いた戸建て住宅は385万戸。
    2024年の分譲と持ち家の
    着工件数が約35万戸ですから、
    11年分の家が余っていることになります。

 

  • なぜ余っているか
    なぜ誰も住まないかと言えば、
    その多くが耐震性が低く
    寒くて暑い家だから・・・
    灯油をじゃぶじゃぶ使わないと
    暖かくならないから
    地震が来たら倒れるかもしれないから
    そんな家で子育ては誰もしません。
    これから日本で建てられる家で
    求められている性能の家は
    長期優良住宅で
    耐震等級3
    断熱性能等級は最低でも6
    出来れば等級6+
    そうでなければ、あなた自身が
    空き家を再生産することになります。

 

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平屋を建てる時に

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    研修で東京に来ていますが、
    岐阜の田舎から出てくると圧倒されます。
    これでもかと言うほど高層建築があって、
    しかもまだまだ工事中。
    タワークレーンがそこかしこのビルの上で動いています。
    感覚的には名古屋が20個くらい集まったような・・・
    人口
    名古屋市230万人、東京都1400万人
    経済規模
    名古屋市13.5兆円 東京都113.5兆円
    一人当たりで割り戻すと
    東京は名古屋の約1.4倍の生産性がありますが、
    市場の評価はそれ以上あることになります。

 

  • さて、今朝のNHKのニュースで
    変わる戸建て市場と題して住宅の事を報じていました。
    ある住宅メーカーでは
    平屋建ての契約が全体の4割になっていると言ってました。
    実際今、基礎工事中の可児の家は
    6宅地ある分譲地でお隣は平屋が建っています。
    残りの4宅地の内2宅地も基礎の大きさから推測すると
    平家のようです。
    最近、なぜこんなに平屋が
    増えてきたのか?
    ひょっとしたら誰かがどこかで
    意図的に平屋ブームを作り出していて、
    知らず知らずにそちらに誘導されているとしたら?

 

  • 2025年4月に建築基準法の改正があります。
    それを見越しての入念な計画かも・・・
    この改正で従来の木造2階建ての住宅は
    4号特例が縮小され、構造計算が義務付けされます。
    簡単に言うと2階建ての木造住宅は
    建築士が構造計算をしているはずだから
    確認申請の時の構造計算書なんて出さなくていいよ。
    つまり、建築士の性善説に基づいて
    計算書の提出を免除していたんですね。
    それが2025年4月から、
    2階建ての木造住宅を建てる時は
    構造計算書の添付が義務付けられました。
    特例で免除していたのを廃止し、
    厳格に提出を義務付けたわけです。
    住まい手に取っても
    地域にとっても
    国にとっても
    きちんと構造計算された住宅しか建てられない訳で、
    誰にとっても良さげですが
    工務店やHMにとっては
    構造計算の手間がどんと増えることになります。
    今までは構造計算書の提出を免除されていただけで
    建前上は計算していることになってましたが、
    実際はされていなかったケースが大半・・・
    住宅業界のグレーゾーンだったんですね。
    そこに国交省がメスを入れた形です。
    消費者金融のグレーゾーンの過払い金と似たような構図と
    言ったらいいでしょうか。

 

  • さてHMや工務店にとって構造計算の手間が増えることは、
    コストの上昇を意味します。
    計算をする手間
    そして、計算書を提出して認可が下りるまでの時間も
    目に見えないコストです。
    現状でも長期優良住宅の場合、4週間ほどかかってますが
    着工件数全体に占める
    長期優良住宅の割合は半分以下です。
    それが長期優良住宅並みとは言いませんが
    全ての住宅の構造計算をチェックするとなると、
    審査機関の数や人員を増やさない限り
    従来の期間では認可は下りてきません。
    今でも1か月近くかかっているのに、
    それ以上となるわけです。

 

  • そんな中上記の
    もろもろの手間を回避する道が、実はあります。
    2階建てじゃなくて平屋だったら従来通りでいいよ。
    計算書の添付は免除してあげる、となってます。
    それを見越しての平屋ブーム大作戦が
    計画されていたしたら・・・
    ニュースでは平屋と2階建ての家の図面を示して、
    同じ床面積なら平屋は
    階段や廊下が無くなるから2階建てより費用を
    削減できると言ってました。
    屋根の面積や基礎の面積が2倍になることはスルーでした。
    鎌田先生も仰ってましたが、
    平屋建ては総2階建てに比べ温熱的には
    日射取得が減ることになりますから、不利になります。
    簡単に言うと南面の窓の面積が
    2階建てに比べ制約されます。
    同じ様な面積にしようとすると
    建物の横幅(基礎幅)を倍にする必要がありますから、
    全体的なコストアップの要因となります。

 

  • いろんな話をしましたが、
    平屋がNGと言っているわけではありません。
    上記のもろもろのことを知った上で
    検討いただければ問題はありませんが、
    平屋を建てる時のポイントをお伝えします。
    平屋でも建築基準法は前提として
    構造計算をすることになっています。
    審査機関に提出しなくていいだけで、
    計算はしなければなりませんから。
    平屋を建てる時の
    契約の時には、
    構造計算書も出してもらいましょう。
    計算に余分な経費は掛かりません。
    元もと、計算しなければならないのですから。

 

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建設住宅性能評価の勧め

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨日の夕方には雪がパラついていましたが、
    今朝は大丈夫の様です。
    この時期の初雪で朝の積雪は大渋滞の元。
    ノーマルタイヤで運転する輩が必ずいます。
    坂道が登れないとか
    田んぼにひっくり返ってとかが、
    毎年のように繰り返されます。
    今年はさて、どうなるでしょう?

 

  • 先週、可児の家の配筋検査でした。
    配筋検査は基礎コンクリートを打つ前の鉄筋の検査です。
    決められた通りの太さなのかとか
    鉄筋の組み立てられ方に間違いはないかなど、
    コンクリートを打ってからでは
    確認できないところを検査します。
    一般の住宅でも瑕疵保険で検査をしますが、
    今回の検査は、
    建設住宅性能評価による現場検査です。

 

  • 住宅の検査は大きく分けて
    義務となっている瑕疵保険によるものと
    第三者機関によるものがあります。
    第三者機関によるものは性能評価によるものと
    民間の検査専門会社(ホームインスペクター)
    のものがあります。
    性能評価によるものは
    設計住宅性能評価と
    建設住宅性能評価の二つあって、
    頭の文字の通り設計だけを検査して
    評価する設計住宅性能評価。
    建設つまり施工を検査して
    評価する建設住宅性能評価があります。
    簡単に言うと、設計住宅性能評価は
  • 図面や仕様、
    例えば断熱材に何を使うのかや
    サッシはどん種類のサッシを使うのか
    それらを使った時
    どんな性能になるかを評価するものです。
    それに対し、
    建設住宅性能評価は
    それらが図面通り間違いなく
    きちんと施工されているかを
    検査して評価するものです。
    いくら図面でいい性能の家になっていても、
    現場でのミスや間違いやがあれば
    その性能は担保されません。
    勘違いやミスは、人間ですから必ず起こります。
    それを複数の目で見ることで
    その発生リスクを低減させることができます。
    別の言葉で言うと
    監査とか査察となりますが、
    住まいを建てていく各段階で確認することで
    ミスや勘違いを是正することができます。
    つまり、その時なら
    簡単に直したり、是正することができます。
    後工程になってからの是正では
    費用も時間もかかってしまうのが、
    「その時」であれば容易に修正できますし
    再発防止や改善にもつながります。
    そのように考えれば
    とても有意義なことになります。

 

  • 一般の方と工務店やHMでは
    施工に関しては相当程度のレベル差があります。
    一般の方が見ただけでは、
    その施工の仕方が間違ってるのか
    正しいのかがわかりません。
    それを同じ専門家の目で見て
    判断してもらうことができます。
    インスペクターも性能評価も
    それなりに費用は掛かりますが、
    一般の方にそれほど浸透しているわけではありません。
    そんなことをすれば
    HMや工務店が気を悪くするんじゃないか
    信用してないんじゃないかと取られるのではと
    心配される方もいるかもしれませんが、
    きちんとやっている会社ほど歓迎されます。
    なぜなら第三者による監査や査察は、
    社員や職人の技術力向上や
    より良い住まいの開発につながるのですから。

 

  • 実は工務店って一度仕様が出来てしまうと、
    何年も同じ仕様を繰り返す傾向にあります。
    日々の仕事に追われ、
    新しい技術の学びの時間が取れなければ
    当然そうなります。
    簡単に例えると気密シートの必要性は
    多くの方の浸透してますが、
    未だにしていない
    あるいはHeat20、G1.G2の断熱性が出せない
    どうやっていいのかわからない
    学ぶことを止めてしまったら
    進歩はそこで止まります。
  • つまり経験と勘の工事の始まりです。
    検査や監査、査察は
    強制的に学びの場に立つことを意味してます。
    設計住宅性能評価や建設住宅性能評価、
    ホームインスペクターは
  • 工務店にとって学びの場でもあります。
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