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社長ブログケヤキの木の下で

地方自治体の住宅補助金

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    今シーズンの筍、大台の100本を越えて
    111本の収穫になりました。
    そろそろ終盤ですが、あとどれだけ出るか楽しみです。

 

  • さて、本日は補助金のお話し
    住宅を建てる時に補助金が出ますが、
    国からのものと地方の自治体である県や市のものがあります。
    東京都の東京ゼロエミでは
    一定水準の性能や設備を満たせば、
  • 240万円の助成金がでます。
    札幌版次世代住宅の補助金も、
    要件を満たせば220万の補助金が出ます。
    随分高額ですが、東京や札幌だけでなく
    鳥取NE-ST 200万
    信州健康ゼロエネ住宅200万
    やまがた省エネ健康住宅200.2万
    せんだい健幸省エネ住宅310万
    etc
    補助金の額も性能のランクに応じて上下して、
    上記の額は上限です。
    国の住宅の補助金との併用は認められませんが、
    自治体独自の補助金は併用ができるものもあります。
    国のGX志向型住宅の補助金の160万が
  • 小さく見えてしまいます。

 

  • 他にも探せば色々とありますが、
    なぜ国や地方の自治体が
    これほど住宅に対して補助金を出すのか?
    一昔前は与党の選挙対策であったり、
    あるいは景気対策と言った側面もありましたが、
    それにしても金額が大きくなっています。
    2050年のカーボンニュートラルもありますが、
    主な理由は空き家対策だと思われます。
    現在多くの家が空き家になっています。
    その主な理由が、
    耐震性が低い
    断熱性が悪い
    省エネではない
    生活コストが大きい
    改修には大きな費用が掛かる
    そんな中古住宅には住みたくない訳で
    新築住宅になりますが、
    その新築住宅の性能が低ければ同じことの繰り返し。
    ますます空き家増えていくことになります。
    ただでさえ有り余ってる住宅が、
    更に増えていく・・・
    自治体にとって放置されている空き家は
    頭痛のタネでしかありません。
    なのでそんな空き家を減らす策の一つが、
    誘導策としての高額な補助金となります。
    同時に国は基準法を改正し、一定水準以下の住宅を
  • 建てさせないようにし始めました。
    下から法律によって性能を押し上げ
    低い性能の家は建てさせないようにして、
    上にはアメをぶら下げ引き上げるということになります。

 

  • 実は欧米では、30年も前からしていることです。
    ようやく日本も遅すぎるきらいはありますが、
    そうなり始めたと見ていいでしょう。
    どんな家を建てるのも自分の自由
    自分が死んだ後の家なんて
    野となれ山となれ
    そんなことは知らん
    子供が何とかする
    そんな時代は、既に遠い昔の話しとなりました。

 

  • さて、岐阜県の住宅補助金
    実は国の補助金と併用が可能です。
    ①ぎふの木で家づくり支援事業32万
    ②脱炭素社会ぎふモデル住宅事業費補助金40万(昨年)
    ②の詳細はまだ発表されてませんが、
    近日中に県のHPに出されます。
    ①は国の補助金を貰うと約半額の17.6万になりますが、
    GX志向型の160万と合わせると
    160+17.2+40
    217.2万の補助金になります。
    県産材を使うことや省エネなど、
    一定基準を満たせば補助対象になります。
    岐阜県を含め地方で新築を検討される方は、
    自分の家が基準を満たしているか
    設計者に確認してみてください。

 

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2030年までの省エネ基準

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    雨ですね。
    雨後の筍(うごのたけのこ)
    今月11日に今シーズンの筍掘りが始まって
    昨日までの収穫は91本
    昨日スーパーで見かけた京都府産の筍は驚きの価格

 

 

 

  • 1本2858円、税込みで3086円・・・
    シーズン中は筍が飛び交う田舎で、
    誰が買うのか?
    筍は掘ったらすぐに茹でるが基本。
    いくら京都府産でも
    収穫してから2.3日は経ってるわけで、
    どんな味がするか気にはなるけど・・・

 

  • 先日開かれた国交省の
    社会資本整備審議会建築分科会で
    一次エネルギー消費等級の見直しが検討されました。
    新たに現行の最高等級6での上に
    等級7.等級8を設けるようです。

 

 

 

  • それに伴って右の図の一次エネルギー消費量等級は
    等級6の上に7と8を設け、
    新基準は それを等級1.2.3とするものです。
    断熱等性能等級も現行の等級5.6.7を
    それぞれ等級1.2.3にするものです。
    従来のZEH水準が最低基準になります。

 

  • 断熱性能等級はUa値で決まりますが、
    以前からお伝えしてるように
    Ua値が良いからと言って必ずしも省エネにはならない
    つまり、
    冷暖房費やエネルギーの
    消費量がUa値と比例してないんですね。
    Ua値が良ければ、
    必ずしもエネルギー消費も良くなる訳ではありません。
    新住協もPHJも、Ua値は基準にしていません。

 

  • 一次エネルギーの消費量には
    設計された住宅に住んだ時、
    エネルギーがどれだけ必要かで等級分けがしてあって
    基準のエネルギーと比較して
  • BEIと言う数値で出します。
    対象は冷暖房、換気、給湯、照明、家電
    一次エネルギー消費量等級6はBEIが0.8
    つまり、基準の80%のエネルギーで住める家
    新たな等級7はBEIが0.7
    等級8は0.65
    つまり基準の65%のエネルギー
    住める家となります。
    2030年までにはこんな基準にしますよ
    と言うことです。
    一次エネルギー消費等級8はBEIが0.65で
    太陽光パネルは含んでいない数値ですから
    断熱だけでなく、
    日射の利用や遮蔽にも
    工夫がほしいところで
    設計者は腕の見せ所でしょうか。
    もちろん、予算やデザインとの
    兼ね合いもありますから
    そんなバランス感覚も求められます。
    今回の省エネルギー基準の水準の引き上げの検討は
    窓を小さくしたり
    数を少なくする
    安易な上位等級狙いの
    封じ込めの意味もありますが
    住まいの省エネ性能に対する国としての正常な方向を
    示しているとも言えます。

 

  • これからの住まいは
    性能的には
    耐震性
    断熱性
    一次エネルギー消費量
    評価されることになります。
  • .

 

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決められたプランから選ぶ?

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。

 

 

 

 

  • 4月11日から筍が出始め、一昨日は15本、昨日は17本。
    今年は出が悪いと近隣では言われてますが、
    既に50本以上収穫してます。
    今週一杯収穫できそうですから
    例年通り100本ほどになりそうです。

 

  • さて、工事中の可児の家C
    杉板も張り終わり、順調に工事が進んでいます。
    ミニ開発の分譲地で6宅地ありますが、
    工事中の可児の家C以外は全て平屋。
    70坪(230m2)程度の敷地の広さ、
    そこに30坪前後の平屋です。
    2台分の駐車場を取ると南側には
  • それほどスペースはありません。
    6宅地の真ん中を南北に進入路が付いていますから、
    建物の東側か西側で接道することになります。
    つまり南側には、お隣の建物が来ることになります。
    平屋であれば南面からの日射取得に難儀しますが、
    そもそも南側の家が平屋であることを
    差し引いても、
    どの家も日射の事なんて
    これぽっちも考えていない設計に見受けられます。

 

 

 

  • 上の写真は某大手HMの建設中の家ですが、
    この2つの窓は西に面しています。
    それぞれ4畳半の部屋で窓はここしかありません。
    なぜわかるかと言うと、道路向かいの屋根の上から
    よく見えるんですね。
    窓のサイズは1.6mx0.7mと大きめ。
    冬は大丈夫でも、夏はどうするんだろうと
    他人事ながら心配になります。
    数百もあるプランから、
    敷地だけにあったプランをそのまま当てはめて建てるのが
    よくわかります。
    日射の取得や遮蔽冷暖房費に直結しますし、
    暮らし易さとも関係してきます。
    屋根にパネルを載せてるからエアコンで冷やせば大丈夫?
    全館空調だから大丈夫?

 

  • 夏の気温35度、湿度60%の時
    4.5畳の部屋
    西向きの1.6x0.7の窓
    何度、何%の空気を1時間にどれだけ送れば、
    27度、50%の室内になるか
    設計者に計算してもらっていると思いたいですね。
    ​決められたプランからしか
    選ぶことができないというのはHMの都合ですが、
    予算的な制約があるとなると住まい手の都合とも言えます。
    どう考えるかは住まい手次第ですから
    慎重にお考え下さい。

 

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高性能な賃貸住宅も選択肢の一つ

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    先日、黒部市にある YKKのパッシブタウン​に
  • 行ってきました。
    建物は既に第5街区まで完成していて、
    第5街区の外構工事中でした。
    夏頃にその外構工事も完成するそうで、
    一般公開はその後のようです。

 

  • 第3街区は​ 森みわさんの設計で改修物件です。
    YKKの社宅だった建物。
    昔の4階建て程度の公団のアパートを
    思い出して
    いただくと、想像できるかもしれません。
    コンクリートで造られた建物ですから、
    断熱の改修は外側から断熱材を貼り付ける手法です。
    壁にはEPSというポリスチレンの断熱材を
    厚さ15センチで貼り付けてあります。
    壁がコンクリートのような
    熱容量の大きな素材でできた建物は
    室内側ではなく、壁の外側に断熱材を
    取付けるのが基本。
    ドイツでも同様な断熱改修が行われています。
    この外側に断熱材を貼り付けて
    断熱改修する時に、
    邪魔になるのがコンクリートでできた
    躯体一体型のバルコニー。
    バルコニーを外側から断熱材で
    包んでしまうことはできません。
    そうなるとバルコニーは熱橋と言って
    熱が逃げていく通り道になるんですね。
    この建物も改修前にはバルコニーがありましたが、
    熱橋対策で撤去。
    写真を見るとバルコニーがついてますが、
    これは後付けのバルコニーで
    躯体一体型ではありません。

 

  • 性能レベルは2棟のうち、
    J棟はパッシブハウス認定
    K棟はアメリカのLEED for Homes認定でから
    性能的には折り紙付きです。
    日本でも今後このような
    高性能な集合住宅が増えていくと思われます。
    既設の建物を改修すれば、
    既存のコンクリートの建物を撤去して
    新設するよりも、安価にできます。

 

  • 話しは変わりますが
    高性能賃貸研究会​と言うのがあります。
    新住協の夢建築工房の岸野さんや
    東大の前先生も関わってますが、
    時代が高性能な賃貸住宅を
    求めていると言っていいでしょうか。
    上記のパッシブタウンも実は賃貸住宅。
    検索していただくと、家賃も出ています。
    建築費が高騰していて
    都心の新築マンションは1億を越えています。
    住宅価格も同様に高騰してますし、
    職人不足の問題もあります。
    ひと世代前は新たに土地を購入して
    新築住宅を建てることは普通であり
    一般的でしたが、
    これからの時代はどうでしょう?
    そもそも夫婦二人の実家は
    どうなるか?
    どうするか?
    誰かが何とかしてくれるか?
    更に先を考えると、
    仮に家を建てたとして
    その家はお子さんの
    資産になるか
    負債になるか

 

  • 現在の空き家の多くは
    耐震不足、断熱不足が主な原因ですが、
    建てた家が十分それらを満たしているかどうか
    満たしていなければ
    負債になる可能性が高いと思っていいでしょう。
  • これから新築を検討される方は
  • 幾つもの選択肢がありますが、
  • 同時に検討すべき項目も数多くあります。
  • 親世代の時の様に何も考えず、
    土地を買って家を建てる時代は終わりました。
  • 耐震性、断熱性、省エネ性
    実家の終活、ローン金利
    資材の高騰、インフレ
    子供達への相続 etc.
  • 家づくりは慎重に進める必要があります。

 

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南面のサッシガラスと暖房費

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨日から富山に来てます。
    途中のひるがの高原は吹雪で、車載温度計の外気温は0度

 

 

 

  • 幸い、路面に積雪はありませんでしたから
    安全に来ることが出来ました。
    積もるような雪だったら、サービスエリアで足止めでした。

 

  • 富山に来たのはYKKの黒部萩生製造所PSスタジオと
    パッシブタウン
    それに、黒部製造所の見学です。
    紙太材木店では標準的なサッシは
    エクセルシャノンとYKKです。
    APW430やNS50を使っていますが、
    サッシも年々進化しています。
    特にサッシに使われるガラスについては、
    サンゴバンの優れたガラスが使われるようになりました。
    木製サッシでは佐藤の窓のスマートウィンや
    シャノンのNS50でも使われていますし、
    YKKでも同様です。

 

  • サッシのガラスの種類と聞くと
    ペアガラスやトリプルガラスが思い出されますが、
    実は住宅で使われるサッシのガラスは
  • 何十種類もあります。
    QPEXやホームズ君などの計算ソフトで、
    選択できるガラスのリストを見ると多くの方は驚かれます。
    主に、
    Ug値と言われるガラスの熱還流率と
    日射取得率のηg値で分けられます。
    Ug値は熱還流率なんて言うと分かり難いですが、
  • 断熱性の事です。
  • 最近はUa値で住まいの断熱性を数値化しますし、
    サッシから逃げていく暖房エネルギーは
    壁よりも多いと言うところが強調され、
    Ua値をよくするためサッシを小さくしたり、
    出来るだけサッシの数を少なくする
    設計者やHMもあります。
    新住協でもPHJでも日射取得による
    暖房エネルギーの削減効果を見ています。
    なので、簡単に言うと
    南面のサッシは出来るだけ大きく
    出来るだけ多くと言うところを意識しています。

 

  • そこで関係してくるのがサッシのガラスの
    Ug値(熱貫流率=断熱性)と
    ηg値(日射取得率)
    今までの日本のサッシのガラスは
    Ug値(熱貫流率=断熱性)が良ければ
    ηg値(日射取得率)が悪い
    ηg値(日射取得率)が良ければ
    Ug値(熱貫流率=断熱性)が悪い
    二つの値は相反する関係にあったんですね。
    しかしサンゴバンのガラスは
    二つが両立してるガラスです。
    この二つが両立すると
    南面にこのガラスを使うことで、
    暖房エネルギーを大きく削減することができます。
    日射を取得するタイプのガラスと
  • 取得しないタイプのガラスのηg値は0.6前後と0.3前後で、
  • 約2倍の違いがあります。
  • 現在建設中の可児の家で
  • どれくらい暖房費が違ってくるか計算すると、
  • ガラス取得しないタイプに変えただけで
  • 暖房費は約30%アップ自然温度差は2度低下します。
  • でも逆に取得しないタイプは断熱性が少し上がるので、
  • Ua値が0.01良くなります。
  • Ua値がいくら良くなっても、暖房費が上がるようでは意味がありません。

    サッシは、どんなガラスを使うかによって

    暖房費は大きく異なります。

    デザインや性能、予算のバランスを見て

    設計者と相談しながらお決めください。

 

 

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