社長ブログケヤキの木の下で
2024年11月15日
木の使い方の基本
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
事務所のケヤキの葉、
黄色や茶が半分を越えました。
週末の雨で落ち葉が増えそうです。
- 隈研吾さんの設計した木材を多用した建物が、
至る所で劣化しているという記事が最近多く出ています。
読まれた方は、やっぱり木材を使った建て物は
劣化が早いんだと誤解してしまうのではないかと
危惧するこの頃です。
外装に木が使われ建てられてから
それほど年月が経ってないのに
カビが付いたりや不朽が始まってる云々・・・
記事のさわりだけ読む方も多いはずで、
それだけが記憶の片隅に残ってしまうのはとても残念です。
でも、法隆寺が建てられたのは7世紀。
外観を見れば分かりますが、
木材がいっぱい使われていますし
それはむき出しになっています。
法隆寺の木材に腐朽が始まってるなんて話は
あまり聞いたことがありません。
隈さんの建物で不朽が始まってて
法隆寺ではそれが無いとしたら、
それは木材のせいではなく使い方の問題と言うことになります。
- 木を建物で使う時の使い方の基本は
雨は真上から落ちてくるので
木が雨に直接当たらないように
庇をつける
屋根をつける
これだけです。
なので、外壁に杉板を張った時も同じで
雨が直接当たらないように屋根や庇をつける。
- 紙太材木店の西の壁には杉板が張ってあります。
- 板の厚みは二分三厘(にぶさんりん)
昔は二分三と言われる杉板で約7ミリの厚み
大正2年(1913年)の建物ですから
110年以上経過してますが、まだ現役です。
傷んだところだけ張替えをしようか
全面張り替えるか考えていたのですが、
先日京都へ行った時
妙心寺の庫裏の修繕を見学したのですが
修繕は傷んだところだけ。
全て交換したり
全て替えたりするのではなく、
同じ材料を使ってそこだけ補修するのが基本
そのように聞きました。
確かに傷んでいないところまで
替えるのは気持ち的に抵抗がありますから、
直すときはそうする予定です。
- 紙太材木店で新築で外壁に使用する
杉板の厚みは15ミリですから
100年前の倍の厚さになります。
京都の町家や倉敷の街中でも
外壁に杉板は多く使われています。
住まいにおいて外壁に木を使う時の基本を守れば、
ちゃんと長持ちしてくれます。
それは日本の古い町並みや歴史が
証明してくれてます。
環境に対する負荷が低く、
メンテナンスも容易な杉板。
30年、40年と言うスパンで見た時、
サイディングよりずっとお値打ちです。
もう一度
写真の杉板は、厚さ7ミリなのに110年。
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