社長ブログケヤキの木の下で
2013年12月6日
住宅医スクール 東京
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今日は東京で住宅医スクール、
先週も大阪で講義を受けてきましたが
年間で受講しなければならない講義が決まっていて
10月にドイツのパッシブハウスに行ったため出席できなかったコマの埋め合わせです。
安井昇さんの 防火性能の改善と対策
清水基之さんと豊田保之さんの 設備の劣化診断と対策
松井郁夫さんの 構造的不具合の原因と対策
特別講義もあって、松井郁夫さんが住宅改修事例を講義してくれます。
今回の講義の本命は松井郁夫さん
「構造的不具合の原因と対策」なんて題だと?ですが
伝統民家の見方・直し方という副題がついていれば
古い木造住宅の改修だということが分かります。
実は松井先生には先月のぎふ木造塾でもお会いしていて
私が今取り組んでいる伝統民家の補修についてもアドバイスを頂いています。
耐震性をどう確保するか、
土壁の補修方法や、玉石基礎の補強、伝統民家のデザイン、
また、暮らしやすさに直結する冬の寒さ対策など、
古い木造住宅を改修しようとすれば幾つもの問題に直面します。
ヨーロッパでは大学に建築病理学という講座があって、
住宅の補修方法や劣化の原因や対策に付いて総合的な研究がされてますが、
残念ながら日本ではそのようなものはありません。
全て補修を計画する人の経験と勘で
大学ではそのようなことは一切教えていません。
(構造、意匠デザイン、設備が主)
ですから一級建築士よりも大工さんの方が実務的に優れているケースが多々あります。
住宅の温熱環境についても大学では教えませんから、
新築では寒い住宅がまだまだ増えていくという負の連鎖が続きます。
自動車では燃費がすぐにわかりますし、
販売する人の誰もがガソリン1リッターあたり何キロ走る車か教えてくれますが、
住宅では一冬過ごすのに何リッターの灯油が必要な家か
答えてくれる営業マンや建築士はほとんどいません。
世代が変わる毎に家を建てていては
GDPには貢献するかもしれませんが、
資産はいつまで経っても増えていきません。
新築で建てるなら資産として次の世代に残せる家、
次の世代が引き継いでくれる家でなければなりませんし、
改修についても経験と勘だけでなく科学的な裏付けのある改修でなければなりません。
住宅医スクール、
古い民家の改修のみならず建築病理学という見地からも
工務店や設計事務所の担当者の方には受講していただきたい講座です。
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