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社長ブログケヤキの木の下で

水周りの木には拭き漆

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    漆かぶれ
    何を塗っても治るまで、10日から2週間はかかります。
    ステロイドもかゆみを抑える程度と分かってますが、
    既に1週間・・・
    可笑しなもので、症状はヘルペスそっくり。
    左腕の漆かぶれ、
    治るまでまだ1週間ほどかかりそうです。

 

  • さて、理屈好きの方の中には、
    ウレタンも漆も化学式の違いはほんの少しだから
    木部の塗装なんてウレタンで十分。
    ほとんど同じと言っていいんだから、
    どうして漆なの?
    なんで漆に拘るの?
    わけが分かりません・・・
    そんな人も世の中にはいますが、
    チンパンジーと
    ホモサピエンス(あなた)のDNAは99%同じ
    違いは、たったの1%
    ほとんど同じと言っても、問題なし
    でも、
    DNAがチンパンジーと1%しか違わないから
    チンパンジーもあなたもほとんど同じかと言うと、
    そうではありません。

 

  • 輪島塗りも会津塗りも
    紀州漆器も春慶塗りも
    ウレタンでいいんじゃない
    だって、見た目が同じなんだから
    それなら値段も下がるし、
  • 皆が使えて時代に合ってる?
    日本の住まいも無垢の木なんて時代遅れ
    仕上がりは塩ビシートにビニールクロス、
    合板のフローリングで十分
    見た目が同じなら、安い方がいい
    そんな感性の方もおられますが、
    僅か1%の違いが
    チンパンジーとヒトを分けています。

 

  • 漆とウレタンも
    化学式はほんの僅かの違いですが、
    ウレタン塗装の木の洗面カウンターの寿命が
    驚くほど短いのを実は多くの実務者は知っています。
    なので住まい手にお勧めする洗面カウンターは
    既製品のメラミンカウンターか
    人造大理石のカウンター
    住まい手が木を使った
    カウンターがいいと言おうものなら、
    無理ですね
    すぐに傷みます
    木部が腐ります
    そんな風に設計者?から言われれば
    諦めるしかありません。
    その自称設計者も漆のことを
    知らないだけだとしたら?
    営業の事だけは知ってる営業マンだとしたら
    実は、勉強不足だとしたら
    経験不足だとしたら
    会社の都合で
    水回りのカウンターに木を使うな
    そういわれてただけだとしたら
    残念としか言いようがありません。

 

  • 名栗加工のカウンターと漆に強い人

 

 

 

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それでもお勧めしたい拭き漆

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    先日、竹藪の草刈りをした話をしましたが
    漆でかぶれてしまいました。
    刈払い機での草苅ですから
    フェイスマスクに皮手袋、
    前掛けや長袖の作業着でしています。
    細い竹や木、少し成長した竹などは
    紐式の刈払い機では無理なので、
    刈払い機を使う前にナタで切っておくのですが、
    その時に触れてしまったようです。
    幸い顔ではなく、左手の手首から上。
    以前かぶれた時に処方してもらった塗り薬で、
    なんとか落ち着いてますが
    つくづく、漆に弱い体質と実感してます。

 

  • 紙太材木店では洗面のカウンターや
    トイレの手洗いカウンターを
    造作で作ることが多いのですが、
    その仕上げを拭き漆ですることがあります。

 

 

 

  • ご存知のように漆は水に強いですから、
    お椀などの食器にも使われています。(輪島塗や春慶塗)
    北陸地方では室内の木部、
    床や梁、柱や天井板、建具などすべてに
    漆を塗って仕上げてある家​があります。
    ある意味、漆の家ですが、
    木部を保護するのには漆は最適な素材と言えます。
    カウンターに漆を塗る時は、
    写真のように作業場で塗ります。
    長袖、軍手、袖回りはテーピング、
    もちろん軍手の下はゴム手袋をしているのですが、
    実はこの時もかぶれました。
    恐らく塗り終わって上着や手袋を外す時に、
    微妙に付着した漆に触れてしまったようです。
    何度かやってみて分かったのは、
    自分が漆に対して非常に弱い体質ということです。
    漆を塗ってる最中の近くを通るだけでなんだか・・・
    そんなレベルなので、もっぱら漆塗りの作業は
    漆に耐性があることが分かったスタッフが塗っています。
    (触れてもかぶれない羨ましい体質)

 

  • 実は拭き漆の技法は、MOKスクールの番外編で
    三澤文子先生のところで職人さんを呼んで
  • 実習があった時に、教えていただいたもの。
    拭き漆は日本古来の塗装方法ですから、
    日本の建築文化を残すという意味では
    住まいのどこかに使っていただけると嬉しいです。

 

 

  • 大門の家

 

 

 

  • 大野町の家

 

 

 

 

  • その他の例ではお風呂の板に

 

 

 

  • 桧の床にも

 

 

 

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UA値0.3を推奨する理由

 

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    週末の空き時間に、竹藪の草刈りをしました。
    竹林なら草刈りに違和感は感じませんが、
    竹藪を草刈りというと?と感じる方もおられると思います。
    竹林と竹藪の違いは、
    人の手で管理されているのが竹林
    放置されているのが竹藪
    なので本来なら竹林と呼ぶべきなのですが、
    昔から竹藪と呼んでいたのと
    竹林と言うにはなんだか気恥ずかしい気がするので
    そう言ってます。
    100m2くらいなので、5mx20mほどの広さです。
    30本ほどの竹が生えてますが、
    今シーズンの筍の収穫は200本弱
    一度放置すれば、
    30本の竹林が230本の竹藪になる計算、
    管理も楽ではありません。

 

  • 週末、新規に来られた方から
    Ua値0.3を推奨されてる理由を尋ねられました。
    現在、断熱性の指標になってるのはUa値で
    一般の方にも浸透しています。
    ただ、Ua値が良ければ全てOKな暖かい家、
    暖房費や冷房費がかからない家・・・
    必ずしもそうではありませんから、
    ややこしい値と言うことになります。
    そうは言いながら、
    Ua値は広く浸透してしまいましたから
    使わざるを得ません。

 

  • さて、そのUa値で0.3を推奨する理由は
    オール電化
    家族4人
    太陽光パネルを5~6Kw載せて
    自然温度差​が10度を越える家を設計すると
    現在の買電価格と売電価格から
    年間の電気代ほぼプラスマイナス0になるから
    ポイントは、
    夏と冬の自然温度差10度越え。
    冬はできても
    夏の10度は目標で、実質9度台でしょうか
    Ua値が0.3でも、
    夏も冬も自然温度差が5度や6度では
    プラマイゼロにはなりません。
    もちろん自然温度差を確保して、
    Ua値を0.25まで上げれば
    電気代の収支はプラスに傾きます。
    そうなれば電気代の上昇スピード次第ですが、
    エネルギー代が掛からない生活が続くことになります。
    Ua値を0.3まで上げておけば、
    V2Hや蓄電池はエネルギー代が掛かるように
  • なってからでも遅くはありませんが、
    住宅建設には予算的な制約があります。

 

  • 設計者は予算的な制約がある中、
    Ua値を上げれれば
    それに越したことはありませんが、
    その前に自然温度差を
    如何にあげるかを考えるべきでしょう。
    最近GX志向型住宅がネット上でも話題ですが、
    自然温度差年間のエネルギー収支
    きちんと確認しておく必要があります。

 

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玄関ベンチの年輪

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    蒸し暑くなりました。

 

  • 工事中の可児の家C
    玄関ベンチの無垢の一枚板に何を使うかで、
    あれこれ引っ張り出してきた中に老松がありました。
    この辺りでは老松
    関西では脂松、
    肥松なんて名前もあります。
    樹齢が数百年の目の詰まった松、
    松脂が多く含まれます。
    もちろん、乾燥してないと、
  • 松脂が出てきますから使えません。
    ウン十年も倉庫に置いてありましたから
    プレナーをかけて表面を削ってみなければ、
    木目の表情が分かりません。
    カットしたり
    削ったりで
    あっという間に汗だくになりました。
    先ほど目が詰まったといいましたが
    どういうことかと言うと・・・

 

 

 

  • 左が米松で、右が今回ベンチに使う松です。
    通常のベンチなら厚さは、30mmは欲しい所です。
    厚さは25mm
    薄いのですが、強度がありますからこれで大丈夫。
    年輪は色の濃い所が冬目
    薄い所が夏目
    数を数えると、
    その厚みの板になるのに何年かかるのかが分かります。
    定規を当てて計ってみると
    左の米松は1年で7~8mmほど成長します。
    木は丸いので
    1年で直径が14~16mm太くなることになります。
    右の松は1年で0.3~1mm
    木の直径は
    1年で0.6~2mm太くなることが分かります。
    25mmの厚みの板にするには
    左の松なら
    3年から4年分の成長で板にできます。
    右の松の場合、
    25mmの板にするには
    25年から80年必要になります。
    ある程度の巾の板を
    丸い丸太から取ろうとすると
    直径は40~50センチは必要です。
    1年で2ミリ太くなる木だと
    40センチ÷2ミリ 200年
    1ミリなら 400年
    徒疎(あだやおろそか)に
    使う訳にはいきませんが、
    使ってもらわなければ存在しないも同然。
    何十年も倉庫の中で眠っているより、
    使われてこそ命が吹き込まれることになります。

 

  • 木造で家を建てる方
    無垢のフローリングや木の手触りの好きな方
    木の家具が好きな方
    その木になるまでにどれくらいの時間が
    かかっているかなんてことにも
    興味を持って頂けると、
  • 材木屋としては嬉しい限りです。
    完成見学会では性能だけでなく、
    そんなところにも興味を持ってご覧いただくと、
    面白い発見があります。

    お子さんは、虫メガネ必携です(^^♪​​​

 

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仕上がりで生きてくる大工の手仕事

 

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    5月も下旬。
    梅雨入り前だからこそ快晴が続いてほしいのですが、
    来週にかけてなんだかな予報が出ています。
    土場の草刈りが出来る日が、限られます。
    雨に濡れた草は重く、
    乾いた草刈りに比べると疲労度は倍のイメージ。
    GW中に草刈りをしましたが、
    既に2週間以上経ってますから
    これ以上放っておくとえらいことになりそう…
  • さて、大工の手による造作家具
    先日から下小屋で、
  • 近藤大工さんが作業していて
    もう少しで完成。
    岡崎の大門の家​の定期点検の時に
    依頼されていたもので、引出しの付いた文机。
    文机と言うと正座して机に向かうイメージですが、
    現代では椅子に座って
    パソコンに向かうイメージでしょうか。
    もちろん、書き物もしますね。

 

  • 2020年にお引き渡しをしているので
    5年経過しています。
    5年経って当時と変わった建物の仕様は、
    窓枠や建具の枠です。
    当時は無垢の米栂の柾を
    建具の枠やサッシの窓枠に使ってました。
    円高、コロナの影響もあり、
    輸入木材の価格が高騰・・・
    とても使える値段では無くなってしまいました。
    伊礼さんがよく使っている米松のピーラーも、
    びっくりぽんのお値段です。
    考えてみれば値段の高くなった外材を
    使う必要は無く、
    ウッドマイルズの事を考えれば
    地元産の杉や桧と言うことになります。
    ウッドマイルズの詳細は
    森林文化アカデミーの辻先生から

    窓枠、建具枠は米栂から桧や杉に
    破風や鼻隠しに使っていた米松のピーラーは杉に
    断熱の仕様も変えているのですが、
    それはまたの機会にお話しします。

 

  • 文机はこんな感じです。

 

 

 

  • 組み立てるのと同じくらい時間がかかるのが、
    表面の仕上げ。
    ウレタンを塗ってしまえば簡単に仕上がるのですが、
    それは使いたくない・・・
    造り付けではありませんが、
    造作家具は一生使うもの。
    長い間にはメンテも必要ですが、
    ウレタン塗装では塗装屋さんに
    入ってもらうことになりますし、
    多くの場合メンテはせずに放置でしょうか。
    荏油やオイルであれば
    日々のメンテも自分でできますし、
    自分で磨けば艶も出ますし、愛着も湧いてきます。
    荏油で自然な艶を出そうとすると
    手間と時間がかかります。
    何度も何度も磨いて、
    横から見て
    風景が映るくらいまで。

 

 

 

  • あと少しで、完成です。

 

 

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