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社長ブログケヤキの木の下で

2011年3月3日

ロスナイ(熱と湿度を交換)

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今日は冷えましたね、
庭の池に薄氷が張っていました。
昨日はこちらのお宅に行ってきました。
3.2.2011 001.jpg
縦樋の右側についている丸い物は
○スナイと呼ばれる全熱交換機です。
全熱交換機とは
冬に換気をすると室内の暖かい空気が外に出て
外の冷たい空気が室内に入ってくるので
部屋が寒くなってしまうため
暖かい空気を排気する時に
外の冷たい空気と交差させ
熱と湿度を交換すると言うものです。
そうすれば
例えば25度の室内の暖かい空気は
0度の外の空気と触れ合う事で
0度は12.5度まで上昇し
0度の空気より12.5度も暖かい空気が
入ってくるという事になります。
(100パーセント熱交換出来たとしてで、カタログ上は70.80パーセント)
問題がいくつかあります。
そのうちの一つはメンテナンス
換気装置は本来きちんと
定期的にメンテナンスしなければなりません。
特に全熱交換機は湿度も交換しますから
フィルターの清掃、交換は必須です。
取り付けて1~2年はされるかもしれませんが
しばらくすれば何もせずと言うのが実態です。
室内の空気質は健康に直結します
特にお年寄りや小さなお子さんのいらっしゃる家庭は要注意です。
それをユーザーである建築主に依存するのは
無理があります。
車検を毎年自分でしなさいと
言っているようなものなのですが、
メンテナンスしなければ、
すぐに体に不具合が出てくるわけではないので
メンテナンスの必要性が浸透しません。
さて、○スナイを取り外して見ましょう。
通気のダクトです。
3.2.2011 004.jpg
左右に分かれていますが
これは排気と給気の経路になります。
奥に点々と見えるのは外部フードについたカビ、
室内の湿度を持った空気が出て行きますから
冷やされて結露しそこにカビが発生していると思われます。
少し見にくいですが
通気口の左側の上部の見えるのはクモの巣
ここを通って新鮮?な空気が入ってきます。
本体を見てみましょう
3.2.2011 005.jpg
○スナイの裏側です。
拡大してみましょう
3.2.2011 006.jpg
背面の固定板にさびが見られます。
熱や湿度の交換はエレメントと呼ばれる
紙質のろ材を通して行われます、
ダンボールの断面を交互に重ねてそこで
熱と湿度を交換する装置です。
3.2.2011 007.jpg
本来ならろ材のエレメントを覆うように
フィルターが無ければなりませんが
跡形もありません。
取り付けてから
10年以上経っているそうです。
全熱交換器
機能を聞けば誰でも
それはいいね、取り付けて下さいとなりますが
外気との温度差が35~40度あって
定期的にきちんとメンテナンスしてくれる工務店や建築会社でなければ
取り付けるべきではありません。
この辺り(美濃地方)程度の気温の差であれば
全熱交換機は必要ありませんし
メンテナンスできる
あるいはその必要性を理解している建築会社は
ほとんどありませんから
お止めになるべきでしょう。
汚れた空気や湿度は循環させるのではなく
一方通行で排気されなければなりません。
少しの熱や湿度を惜しんで
汚れた空気を吸っていることをご理解頂ければと思います。
断熱、換気、気密というものが
現代の住宅では先ず最初に考えなければならないことですが
デザインや間取り
断熱材の種類などが先行されるのはおかしな話です。
24時間換気が義務付けられてますが
それを設置するばOKと考えているとしたら
それにも大きな落とし穴があることは
先日お話したとおりです。
お医者さんが家を建てる時
必ず換気装置のことを確認されます。
病院のように全熱交換器を使用しているところで
業者が定期的に換気装置の清掃点検をしても
院内感染はふせげません。
自分や家族の住む家の空気を
もっと大事にしましょう。
以前は水はただでしたが
今はお金を出して水を飲んでます。
安全もお金が必要です。
今の住宅は空気にも
お金が必要となりました。
それを理解している建築会社が
少ないのが日本の現状です。
それでは
皆さん、また明日。

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