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社長ブログケヤキの木の下で

2011年5月18日

Q値

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は所要で京都
2時間半ほどかかりますから
いろいろ考える事が出来ます。
考えていたのはQ値
住宅でQ値がいくつと言う事の意味があるのは
ほんのわずかの住宅で
日本で作られている大部分の住宅では
ほとんど意味がないはず
それなのにQ値はいくつですと言うのは
なぜか?ということです。
Q値は
熱損失係数と言って
家の中と外の温度の差が1℃の時、
家全体から1時間に逃げ出す熱量をもとめ、
それを家の面積で割ったものです。
多くの人にとってはQ値
なに?それ
という感覚でしょうね。
でも
これが分かると
例えば、冬、
家の外が3度のとき
家の中を20度に保つためには
なんワットの熱が逃げていくから
なんワットの熱を出す
エアコンや暖房機が必要かを
計算できます。
家から出て行く熱量は
大きく分けると
屋根や天井から逃げていく熱
壁から逃げていく熱
窓から逃げていく熱
床から逃げていく熱
それと換気で逃げていく熱
大きく分けると5つになりますから
それぞれの値を出し
全部足すと家全体から逃げていく熱量になります。
QPEXと言うソフトで計算しますが、
換気で逃げていく熱の計算が問題です。
例えば
ある住宅で
換気回数を1時間に0.5回に設定した時のQ値は2.68W/m2K
同じ条件で換気回数を変えて
換気回数を1時間に0.7回に設定した時のQ値は3.14W/m2K
換気回数の設定の仕方次第で
Q値は0.46違うのです
これはひと冬の
暖房用の灯油の使用量の差であらわすと
0.5回の時が1433L
0.7回の時が1790L
その差は357Lになります。
換気回数は隙間相当面積C値によって左右されます。
最近出てきている
第1種の全熱交換機の場合
C値1の場合
風力換気と温度差換気で0.22回/h
計画換気で0.5回/hで
合計0.72回/h
C値2なら
風力換気と温度差換気で0.44回/h
計画換気と合計で
0.94回/h
となります。
C値が1違うと
換気回数も変わり、
Q値も変化します。
C値1以下か1以上かで
Q値は大きく変わりますから
Q値を一つの目安として住宅を比較する場合
C値が1以下の住宅同士でなければ
あまり意味がありません。
大手の住宅メーカーはほとんど
Q値を出していますが
出しているQ値は
全て0.5回/hで計算します。
そして実際にC値を計って出しているところは少数です。
その他に窓の大きさによっても
数字が左右されます。
先日お話したように
ペアガラスは
10cmの厚さの断熱材と比較すると
1.3cmの厚みしかありません。
窓が小さければ
それだけ逃げていく熱量も少なくなりますから
Q値も窓が少なく、小さくなればそれだけ
よい数字になります。
Q値のように
目に見える数字の比較だけでは
本質を見落とす事になりますから
Q値の比較や実測してないC値に付いては
参考程度と考えたほうが良さそうです。
今日のテーマ、
それなのになぜQ値というのか
でしたね。
次世代省エネ基準で4地域のC値が5と決まった時点で
Q値は意味のないものと成りました。
なぜなら同時にQ値の算出時の換気回数は
全て0.5回/hで計算することになったからです。
0.5回/hを達成するにはC値は1以下でなければなりません、
大手はほとんどこの数字をクリアする事が出来ません。
そこで、
みんな出来ないんだから
できたことにした数字で比較しましょう!
と言った人がいるはず、
車を運転しながら
考えてました。
それでは
皆さんまた明日。

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