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社長ブログケヤキの木の下で

2011年5月27日

C値を考慮しない第一種換気の熱交換率

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今日から数日曇りや雨
おまけに台風もやってきそうですから
現場の工程も頻繁に変りそうです。
さて、先日のものさし塾で
C値を考慮しないQ値のお話をしましたが
今回は
C値を考慮しない第一種換気の熱交換率についてです。
原発の事故以降
住宅の省エネに付いては
菅さんがサンライズ計画をうちだしたりで
省エネまっしぐらです。
そこで出てきそうなのが
熱交換という
魅力的な言葉
(そんな風に感じるのは建築屋さんしかいないのかもしれませんね)
冬、部屋の暖めた空気を換気するときに
そとの冷たい空気と熱を交換し
暖かい空気にして部屋の中に入れるというもの。
全熱交換機(熱と水蒸気)
あるいは顕熱交換機(熱だけ)
と言われるもので
換気方式としては
第一種換気といわれるもので
給気と排気両方で
ファンを使って強制的に入れたり出したりする方式です。
さてこの交換機
熱交換率を必ず表示しています。
というより
熱交換率が高ければたかいほど
すぐれた製品と言う事をアピールしています。
たとえば
熱交換率80%と言う事は
室内の20度の温度の空気が
外の0度の温度の空気と
熱交換をして
16度の温度の空気となって
部屋に入ってくると言うことを表します。
熱交換率90%であれば
0度の空気は18度になって
はいってきます。
メーカーのカタログや
第一種の換気方式を勧める建築会社は
競ってこの熱交換率をアピールします。
だって魅力的ですよね、
今まで換気をする時は
20度の空気をだして
0度の空気を入れていたのですから
それが16度、18度で入ってくるとなれば
灯油代もエアコンの電気代も随分助かりそうです。
ところが、
表題から既にお気付きの方もいると思いますが、
とても働き者のこの換気装置
もしお寺の本堂や
体育館といった
隙間風の一杯入るところに
設置してあったとしたら
その能力を100%発揮できるでしょうか?
もちろんNGですね
換気装置はその家の容積から計算して
2時間に1回で空気が入れ替わるように設定します。
例えば床面積120m2の家の空気の容量が300m3だとすると
2時間で300m3の空気が入れ替わるように設定します。
でも
この家がお寺の本堂や体育館と同じような
隙間風の入る家だとすると
熱交換率90%でフル回転しても
いえ熱交換率100%で換気しても
実際に換気する空気の量に比べて
隙間から入ってくる空気のほうが大量なら
いくら熱交換して換気をしても
期待したほどの暖かさや
エネルギーの節約にはなりません。
さて、
では第一種換気で
熱交換をする全熱交換機や顕熱交換機で
家の隙間(C値)をどれくらいにすれば
一定の効果があるでしょう?
一般にC値といわれる値です。
簡単に計算すると
C値 1
自然換気 風速3m/sで0.12回/h
温度差  20度で0.07回/h
熱交換率 70%の換気装置(一般的な熱交換率)
0.12+0.07+0.15は0.34
(0.5-0.34)/0.5
は0.32で
32%の熱回収率となります。
これはC値が1で計算しましたが
2あるいは3であれば
もっと悲惨な数字になります。
ちなみにスゥーデンでは
第一種換気の時の
気密性能C値0.3以下をすすめています。
C値0.3cm2/m2!
日本でC値 0.3
百年プロジェクトの仲間である
出雲の上代工務店さんや
近江のひらつか建築さんをはじめ
できる仲間はたくさんいますが
HPをお訪ねになっても
そんなことは書いてありません。
お近くの方は
直接お訪ねになってC値の話や
第一種換気装置の話を聴いてみて下さい。
ものさし塾も開催されてますから
それに参加されてもいいですね。
それでは
皆さん、また明日。

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