社長ブログケヤキの木の下で
2014年9月24日
なぜ、長期優良住宅化リフォームに多額の補助が出るのか?
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
国交省から長期優良住宅化リフォームの採択の連絡が先日ありました。
評価基準型2の採択ですから
20年前に建てられた住宅を
今新築中の長期優良住宅と同じレベルの性能にしなければなりません。
劣化対策や省エネ性、耐震性、維持管理の容易性など
クリアすべき項目は多岐に渡ります。
補助の額も新築の長期優良が100万なのに対し
リフォームでは200万です。
さて、
なぜ国は200万もの補助を出して
既存の住宅の性能を上げようとするのでしょう。
耐震補強でさえ補助金の額は86万程度(地域により異なります)
その額に比べれば倍以上の金額です。
国や行政が考える方向は
補助金という道しるべがあります。
行政は誘導したい方向
あるいは将来のあるべき姿を先取りするようなものに補助金を出す傾向にあります。
何年か先の基準を前倒しで達成する事業
というとわかり易いかもしれません。
新築住宅だけを長期優良化するだけでは
既存の日本の家庭で消費されるエネルギーが
一向に減らないことがわかっているからです。
日本全体で使うエネルギーのうち
建築物の性能に左右される民生部門の割合は34%
産業部門が42.8%
運輸部門が23.3%
建物の性能によりこの日本全体で消費するエネルギーの34%を
減らすことができるわけです。
資源エネルギー庁の資料によれば
家庭部門が使うエネルギーは1975年を100とすると
2011年は208.9
資料をお読みいただくと
その他の産業や運輸の部門は75年に比べてほとんど変化がありませんが
この民生部門のエネルギー消費だけが倍以上の伸びています。
ということで
建築物の性能をもっと引き上げない限り
日本全体で使うエネルギーを削減することができない
となったわけです。
そこで
住宅をはじめとする建築物の性能を上げることがほぼ国策になりました。
省エネ設備に対する補助金(太陽光パネル等)もその一環です。
国としては家庭で使うエネルギーが日本全体として減ればOKなわけで
住宅性能アップより手っ取り早い太陽光パネルをはじめとする設備機器に補助に
出している状況です。
そしてそれだけではまだまだということで
性能アップに補助を出し始めたわけですが
長期優良住宅の建物本来が持ってる性能は
実は世界基準から見ればお粗末なもの
ということは知る人は知ってますが
知られたくない人や知らない人は大勢います・
ただ全体として
どうやら住宅は性能の時代に入りつつあると感じた
サッシ業界はYKK、Lixil、三協ともに
世界に通用するような製品を昨年から今年にかけて出していています。
断熱材の性能についても
経済産業省が昨日
「建築物の断熱材」に関するJISを改正しました
性能競争を促進するため断熱材JISを統一したもので
(いままで規格が異なっていた!)
性能の比較がしやすくなります。
このように建築業界周辺では
大きな動きが見られますが
多くの方はこのことに気づいていません。
ひと握りの方たちだけが
住宅の制度や基準が変わりつつあることに
気づき始めました。
どちらの方向に行くのか
またどの程度のレベルまで行くのか
様子を見る段階は過ぎたように思われます。
抵抗勢力(ちょとお古い言葉ですね(^_^))はもちろんその流れに抵抗しますが
動き始めた大きな流れは変わることはありません。
かつて自動車業界でプリウスが出て
燃費に対する意識革命が起こったように
住宅も大きな曲がり角にいます。
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