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社長ブログケヤキの木の下で

2009年12月21日

竹編み

こんばんは、
紙太材木店の田原です。
荒壁の家、
本日から竹編みです。
12.21 004.jpg
先ず、縦の竹を貫に縛り付けていきます、
昔は藁で編んだ縄でしたが
今はビニルで編んだひもで
縛り付けていきます。
竹は、高さと、幅に合わせて事前に切っておきます。
12.21 021.jpg
12.21 019.jpg
竹は全て中国産です。
昨年きったものを一年乾燥させて使います。
縦の竹をつけると
次は横の竹です。
12.21 014.jpg
竹はところどころ
柱に穴をあけて
差し込んでいきます
12.21 007.jpg
背割れがあればそこに差し込み
反対側は穴を開けて差し込んでいくことになります。
こうすることにより、
貫と貫の間で竹が柱に固定される事になります。
リフォームなどで
荒壁を撤去するときは
貫と柱に差し込んだ竹の位置を
鋸で切断すれば容易に落とせますが、
それを知らないと、
壁を落とすのに手間取ります。
荒壁は、
左官屋さんが竹編みをする場合もありますし
専門の竹屋さんがやる場合もありますが
どちらにしても、現在ではこの仕事ができる人が
一昔前に比べて、極端に少なくなってます。
本日、来てもらっている左官屋さんも
美濃加茂市と川辺町の左官屋さんですが
北は北海道から南は九州まで
全国で仕事があります
お寺、茶室、文化財などが
主な仕事先ですが
平均年齢は60歳を越えてます。
今の日本の職人仕事、
特に大工、左官、建具などの仕事は、
どうしても、修行というトレーニング期間が必要です
その期間、3~5年の半人前のときの給与が払える
仕組みになっていません。
分かりやすく言うと
昔は、人工と言って
一人一日いくらと言う具合に日当を払ってました。
ですから、手元はべつにして、
少し仕事が出来るようになれば
一人前の日当が出ます。
親方は、若手を雇い、仕事を教える余裕が出ましたが
いまは違います、
現在の、仕事の発注形態は
例にとると
仕事が普通よりも少しよくできる人を標準に
その人が40坪の家の仕事をすると
40日かかる。
一日2万円として
80万円が予算となります
80万が請負金額なのです。
30日で仕事をする人は一日2.6万円にしますし
50日で仕事をする人は一日1.6万円しか稼げません。
そうすると、
手の遅い若手を雇って
教える余裕はありません
自分が仕事を精一杯して
ようやく2万円です。
大手の住宅メーカーは
これまで多くの大工さんを初めとする
職人さんをつかって家を建ててきましたが
その職人さん達を育ててきたのは
日本の社会そのものです。
住宅メーカーは
コスト削減という名のもと
日本の社会が育ててきた
職人さん達を使いつぶしてきました。
住宅メーカーの仕事をしている
職人さんたちはだれも
後継者を育てる事が出来ないのが現状です。
これは住宅メーカーの責任ばかりではありません
社会全体で考える必要があります。
ドイツではマイスター制度が充実してますから
次の世代をになう職人さんたちが大勢います
そういう仕組みを早急に作らなければ
日本の住宅の職人の世界や伝統的な技術は
途絶えてしまう事になります。
私は仕事柄多くの大工さんを知ってますが、
20代の大工さんを知りません。
さ自分に何が出来るか、
考えて見る必要があります。

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