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社長ブログケヤキの木の下で

2011年12月9日

惹かれる言葉

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は一日雨
降ったり止んだりでしたが
とても寒い一日でした。
と言っても
事務所の中はマキコDXのおかげで
快適そのものです。
さて、言葉はいろんなイメージを持っています。
家に関していえば
「循環」「熱交換」「畜熱」「遮熱」
と言った言葉は
なんとなく省エネなイメージがあると感じませんか?
家の新築を検討されている方には
ちょっと惹かれる言葉ですね。
漠然とそんな言葉のイメージがあるところに
空気を循環させて無駄な熱を捨てないとか
室内の空気と外気を熱交換している
夜間、電気でレンガを暖め畜熱している
などと聞くと
省エネなんだなぁと思ってしまいますね。
今回は
熱交換について
住宅で熱交換と言うと
冬、
室内の温めた空気を換気すると
外の冷たい空気が入ってきます。
せっかくファンヒーターやエアコンで暖めたのに
換気すれば外の冷たいが入ってきて
部屋が冷えてしまいます。
そこで外の冷たい空気と
部屋の暖かい空気を
換気扇の中で交差させ
熱だけ交換するというものがあります。
この考えは古くからあり
代表的なものとして
三菱電機のロスナイがあり、
1975年頃に第一号が販売されています。
最近のものは
熱交換率74%となっています。
これは
23度の暖めた部屋の中の空気を外に出すと
外の0度空気は
23x0.74=17度になって戻ってくる
と言うものです。
さらに最近では
熱交換率競争もあって
90%などと言う製品もあります。
これなど23度が20.7度で戻ってきます。
素晴らしい!
省エネ大賞!
ですね。
これなら一旦温まった部屋は
ほんのちょっぴりのエアコン
あるいはストーブで
持続的に暖かいはず。
でも
実際の家では
灯油のファンヒーターは、ず~っと動いたまま、
エアコンはコンプレッサーが回ったまま
になってます。
実験室と
実際の家では環境がちがいます。
カタログ通りの性能でも
実際の家ではそのままではありません。
機器の性能がそうでも
その性能が発揮できる環境でなければ
絵に描いた餅
プリウスが40km/Lの燃費でも
実際の生活の中で
それを達成できる人が
100人にひとりでは
意味がありません。
熱交換
90%の交換率なら
8畳の部屋で1時間に1回換気されるとすると
3.6x3.6x2.4=31.1
31.1(気積)x(1-0.9)換気回数x0.35(空気の比熱)
=1.0885W/K
 *90%熱交換されることから
  換気回数は1回ではなく0.1回となります。
換気による熱損失量はわずか1.08W/K
ほとんど無視していい数字ですね。
20Wの電球がついていれば
十分お釣がきます。
でも部屋の熱は
床、壁、天井、窓からも逃げていきます。
同時に漏気も考えなくてはなりません。
つまり隙間から部屋の暖かい空気は逃げていき
外の0度の空気が熱交換されずに入ってきます。
その割合は風速3mの平均的な風が吹いていれば
高気密?なC値5の家で
温度差換気と併せて
1.1回
先ほどの0.1回の11倍となります。
これはQ値を出す時にも十分注意すべき項目ですが
残念ながらQ値計算は漏気は考慮しなくてOK!
熱交換という言葉のイメージ
今のところ換気に関しては
住宅の基本性能が十分満たされた家でなければ
必ずしも省エネに結びついている訳ではなさそうです。
換気の時の熱交換
機器の性能が交換率90%でも
実際は漏気による熱損失がはるかに多い事、
また床、壁、天井、窓からの熱損失が全体の
8割以上である事をを知っておくと
熱交換率90%だから
部屋はとっても暖かいはず
では無い事がわかります。
気密や断熱、窓(ガラス)の性能も
とても大事です。
それでは
皆さん、また明日

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